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第八訓 ページ8

数時間後、時刻は草木も眠る丑三つ時。俺達は彼女が入院している病院の前へ車を停めた。信号は全て黄色や赤の点滅になっていて、一般車両もここに来るまでに数台しか見かけなかった。
運転を上手い部下に任せ、俺は助手席に乗っていた。病院の中を覗いても遠くて暗いせいか全く見えない。


「何台いる?」


Aが病院から出てこないか目を凝らしながら俺は部下達に聞いた。後部座席に座っていた部下の一人はリアガラスの方を向いて「一…いや二台ですね」と答えた。
はぁ〜と大きく溜息をつきながら膝を抱える。刀を抱きながら天井を仰いだ。


「あのガキにどれだけ価値があるんでィ」
「さぁ…。まず、我々が先日捕らえた信者数はかなりのものでしたが、まだ潜伏していたとなると…」


アジトはまだ他にあるかもしれない。あの女の親父もどこに消えたか分かってないのだ。しかも、どうしてもあの娘を取り返したいらしい。
それより、どこから情報が漏れたのだろう。病院内にまさか信者がいたのだろうか。となると看護師…医師…いや、患者として潜伏している可能性もなくはない。


「どうしますか沖田隊長。ここからの距離で娘を無事回収できますかね」
「それはお前の運転による」
「私ですか!?」
「そりゃそうだろィ。スパイ映画並の運転頼むぜ」


足の間に置いてあったバズーカを用意する。後部座席の二人も足元に置いてある銃を準備した。
運転役は緊張した面持ちでハンドルを握った。バックミラーを見ながら、慎重に窓を開けていく。全て開ききってところで、俺は息を吸った。


「今だ!!」


ギャギャッといかつい音を立てて車が発進した。後ろについていた車は慌てて車を発進させようとしたが、後ろの二人が弾を乱射し、前のタイヤをパンクさせる。すると、そのさらに後ろについていた車が横からとびだしてくる。そちらの運転手は技量がなかなかあるようで、弾を乱射しているにも関わらずパンクせずに真っ直ぐ俺達に向かってきた。


「チ、助手席だとバズーカ撃てねェ。オイ、Uターンできねぇのかィ!」
「できますよ。舌噛まないようにしっかり捕まっててくださいね!!」


こんな状況にも関わらずいい笑顔で部下はハンドルを思い切り左に切る。しっかりシートベルトに捕まっていたにも関わらず、頭をぶつけてしまった。
だが、おかげでバズーカが撃ちやすくなった。敵さん達と目が合う。ニヤリと笑ってバズーカの口を向けた。


「あばよ、ストーカー共」


───ドンッ

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ぽん酢ちゃん | 作成日時:2019年1月13日 19時

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