第五十五訓 ページ14
背中から地面に叩きつけられる。臓器を全て平手で叩かれたような感覚。口からは血が溢れ出た。自分の血で溺れそうになり、すぐに天に背を向け、血をすべて吐き出す。
霞む視界を凝らすと、目の前には虚空を見つめたまま動かない先輩がいた。
──ああ、人形みたい。
光のないくすんだ瞳孔。陶磁器のように白くなった肌。先輩の死体を間近で目にした感想は、そんな馬鹿みたいなものだった。
「もう少し大人になったら相手してやらァ」
言葉は雨のように冷たく降り注ぐ。いや、雨ではなく氷か。心の臓に突き刺さる刃物そのものだ。
絞り出した言葉は「ここで殺さないの」という確認だった。裏を返せば殺して欲しいという懇願だった。だが男は長いため息を吐いた。
「ガキ殺すのは趣味じゃねェ」
そのまま陽炎に消えていく男。チープなホラー映画のように、私は髪を土に散らしながら、ザリザリと音を立てて地面を這った。到底彼には届きはしないけど、それでも進むしかなかった。だけど彼が見えなくなると、いろいろな感情に押しつぶされそうになって進めなくなった。
静かになったここで、玖珂さんの死体を見つめる。こんなに近くにいるのに、届かない。何故彼と戦ったのか、彼はこのテロの犯人だったのか(その時私は彼は犯人ではないという雰囲気を感じていた)、玖珂さんの最期の言葉はなんだったのか、本当の本当は私のことをどう思っていたのか、聞いても返ってこない質問がどんどん浮かんでくる。聞けやしないから、涙となって地面に落ちて渇いて消えた。
「…ごめん…なさい」
薄れゆく意識の中、冷泉を始めとした班のメンバーが駆けつける。私や玖珂さんの周りに集まって声をかけてきた。私はその声に反応できる精神状態ではなくて、壊れたロボットのように謝罪の言葉を意識を失うまで述べ続けた。
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きんぴらごぼうちゃん(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます！ 原作での神威の発言から察するに、神威は異性を見る時まずどんな子を生むか考えるんだろうなと思いながら書きました。でも見た目にもうるさかったらいいなとも思いました笑 応援とても励みになります。精一杯頑張ります！ (2018年9月8日 0時) (
レス) id: 6ee86a90be (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - とつても面白いです。主人公の設定とかとても良いと思います。神威のセクハラプロポーズのところが新鮮で良かったと思います。更新待ってます。頑張ってください。 (2018年9月6日 23時) (レス) id: 34ad78a799 (このIDを非表示/違反報告)
きんぴらごぼうちゃん(プロフ) - kamiyakazi725さん» お返事遅れてしまい申し訳ございません。応援していただきありがとうございます！なかなか時間がなく、更新もかなり遅めですが完走できるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2018年8月14日 14時) (レス) id: 6ee86a90be (このIDを非表示/違反報告)
kamiyakazi725 - とても面白かったです！更新楽しみにしています！神威＆夢主ちゃん大好きです！神威かっこよすぎて鼻血g← 頑張って下さい！応援してます！ (2018年7月23日 22時) (レス) id: 7058246684 (このIDを非表示/違反報告)
きんぴらごぼうちゃん(プロフ) - 吾君トさん» 吾君トさんありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…。なんとか合間を縫って頑張りますので、これからもこの作品をよろしくお願いします！！ (2018年6月15日 17時) (レス) id: 6ee86a90be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんぴらごぼうちゃん | 作成日時：2018年5月30日 18時
