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最初出会ったのは、真冬の事だった。


定春と一緒に夜の道を散歩してた時の事。



「定春?どうしたアルか」



定春はいきなり立ち止まったかと思うと、何か匂いを嗅ぎながら暗い公園へと足を進めた。



「定春危ないアルよ 帰り道はこっちじゃ...」



公園のベンチの裏の茂み。


定春がその茂みを掻き分けてひと吠えする。




何か見つけたのかと私も近寄ってそこを覗き込んだ。







「...人 だ」





初めてAを見つけたのは、その茂みの中だった。





その時は周りが暗くて分からなかったけれど、Aはその時左腕に酷い怪我をしていた。


それのせいか気を失っていて、このままにしておく訳にはいけないとAを定春の背中に乗せて万事屋へと向かった。



真っ暗な帰り道。

幾つかの小さな街灯があるだけ。


定春の白い毛にはAの赤黒い血がダラダラと流れこびり付いていく。


苦しそうな呻き声が聞こえ、Aが目を覚ましたのかと思い立ち止まったその時だった。





「その御方を返して頂けませんか」





数メートル先。



黒い二つの影が私と定春を妨げた。



小さな街灯が二つの人物を照らし出す。




見覚えのある人物。







「警察風情が こんな時間に女探しアルか」



「あぁ ある意味な」




煙草を咥えている一人の男と監察の男。


その二人が私達を通さんばかりに睨んでいた。





「この女 お前らの知り合いアルか?」



何故か、定春が唸り始める。


渡してはいけないのだと言いたげに。






「早くしろ 公務執行妨害で逮捕するぞ」



「何も悪いことしてないのに逮捕される意味が分かんねぇヨ」





素直に渡そうとしない私に、目の前の男達は私に分からないよう話を始める。



その隙に逃げ出そうと定春の方を振り向いた時だった。




物音が間近で聞こえたかと思うと、すかさず私の首には刃物が当たっていた。














「おいやめろ!!」













その歯の根元へと視線を手繰り寄せる。







「なんだ てめぇかヨ」







そこには






















私が一番大嫌いな黒服の男が私に剣を向けて立っていた。

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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年12月7日 0時

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