検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:12,053 hit

20.背中 ページ20

何をしているのか。



Aに目もくれず俺を睨んでいる。


数秒程そのままでいた沖田は、何事も無かったかのように歩き出した。



何故か反射的に立ち上がった。






「A ちょっと待ってろ」


「えっ 坂...」




俺を呼び止めようとする声を遮って店から飛び出す。


沖田の消えた方向に走り出した。



前をゆっくりと歩く亜麻色の頭を見つけて立ち止まる。



すると、それに気づいたかのように沖田も足を止めた。






「旦那ァ 言ったでしょ




殺人犯は女だって」





「依頼の張本人はてめぇか」



こちらをゆっくりと振り向く沖田。


その目の色は、怒りが込められていた。




「何の事でィ」


「おたくの監察に俺のところにふざけた依頼を持ってこさせたのはてめぇかって聞いてんだ」


「何言ってるか分かりやせんが
気をつけた方がいいですぜ

ブスリと刺されても俺ァ知りやせんよ」



そう言って沖田は踵を返す。


が、










「知ってんのか アイツが誰の為に罪人になるようなことやったか」






俺の言葉にまた足を止めた。





「お前 上から命令されてんだろ
あの女殺せって


ならなんであの時も今も




アイツを殺さねぇんだ」





それが第一の疑問だった。


神楽が始めて会った時、沖田はAを殺そうとしていた。

だが今回もあの日も、沖田はAに剣を向けるどころか自ら遠のいている。


その理由が分からなかった。




「アンタに関係ねぇだろィ」



「巻き込んだのはてめぇだろーが」





「だからッ!!俺はアンタに依頼なんかしてねぇ!!


勝手に勘違いして決めつけんじゃねぇ!!」







俺に背中を向けながら怒鳴る沖田。


その背中は、何故か小さく震えていた。



怒りか恐怖かは分からない。




ただ俺には、その背中は泣いているように見えた。


 

21.心→←19.頭の中



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:捺稀 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年12月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。