九 ページ9
紫煙を吐き出せば舌打ちを一つ。
私に睨みを利かせてるのだろう、横からの視線が痛い。
つか殺気隠せ。
この調査おじゃんにする気か己は。
なんて意味を込めて彼の足元を蹴ればまた舌打ちが一つ。
「最近の攘夷浪士達のテロ活動に用いられる武器が以前とはものが違ってきている」
『廃刀令の御時世に民間でそんなもん手に入れるなんておかしいと?』
「嗚呼。幕府の誰かが横流しして闇取引してるのは間違いねェんだ」
このひと月であった数回の粛清。
どれもあんまり大きな規模のものではなかったが、うちの何度かは苦戦を強いられた。
というのも今の話通り、目に見えて変わっていた。
今の御時世にましてや人間に作れるものではない、天人が扱っている代物と見て間違いないだろう。
だけどそんなもん民間の野蛮人に渡る訳がない。
となれば誰かが横流ししてると見て間違いはない。
実際に調査してみれば江戸外れの港に不審船が週に何度か停泊しているのを掴んだ。
それが今回の件と関係あるのかはまだ分からない。
だからこうして調査しにきてるわけで。
「副長…ミツバ殿と何かありましたか?」
「嗚呼、何かある。間違いねェ」
…いや己らァァァァァ!
え、なんで会話成立してんの?てか普通に内容違うの気づいてないの?ねぇ馬鹿なの?
どうしよう手がつけられない。
…よし、放置だ、放置。
「やっぱり…やけぼっくりに火がついてー…みたいな?」
「嗚呼…火がついたら大変なことに…、あれ?て、ンなわけねェだろ!テメッ!殺すぞコルァ、なんでアフロなんだ!お前殺すぞ!」
…遅いわ。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年8月31日 0時