四十四 ページ44
煙に紛れて沢山の足音と
「行けぇぇぇぇえ!!」
近藤さんの声が聞こえた。
十四郎ちゃんの方を見れば彼は暗がりの方へと歩みを進めていた。見ると蔵場が先程のところにいない。
蔵場を追いかけた十四郎ちゃんの元へ浪士達を行かせないよう、その道に立ちはだかる。
「テメ、何者だ!」
「女だからって容赦しねぇぞ!」
『だーかーら!女だからって舐めてっと』
相手が構える前に地面を蹴り飛ばす。
大分ある身長差を生かして懐に潜り込めば、剣をその腹の中にぶち込んでいく。血で視界が真っ赤になる。やっと見えた薄い光、全員が倒れていることを横目で確認する。
真っ赤に染まった刀をひと振るいすれば赤い飛沫が飛ぶ。少しだけ息のある野郎どもに言う。
『痛い目にあうんだよ、ばーか』
またあの、空気を切る音が聞こえた。避けようと体を捻るが
『……ッ!!』
それは数秒遅かった。
右肩を銃弾が掠る。咄嗟に体を捻ったから貫通は免れたものの、当たったもんは鉄だ、掠っただけでもそこからは溢れるように流れた。
__とんでもないもんをお江戸に持ち込んでくれたようで。
球の速さと飛んできた場所を瞬時に計算し、出た答えの元へ浪士から奪った刀を思い切り投げる。数秒後、仕留めたことを知らせるように何かが落ちた音がした。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年8月31日 0時