三十七 ページ37
『あ痛っ。ちょ、何すんの!』
「何すんのじゃねェだろ!てめェ何勝手に動いてんだよ!死んだらどーすんだよ!」
『うっせーな、現に死んでねぇだろ!つかバレるから静かにしろよマヨネーズが』
「お前戦場に出ると口悪くなるのなんとかなんねーの」
『こうでもしないとアンタも他の奴らも話聞かないでしょーが』
成る程、と頷いた十四郎ちゃんを放置して扉を開ける。そっと中を覗くが人の気配がない。外からじゃ気がつかなかったがこの倉庫は思っていたより大きい。図面や遠くから見るのとは大違いだ。
物音を立てないようにし二人で倉庫に入る。ゆっくりと、確実に奥へ進む。すると奥の方に橙色の光が見えてきた。光が近くなるにつれて声が聞こえる。それはどんどん大きくなった。近くのコンテナを背にこっそりとそちらを覗けば沢山の人。
そして。
『十四郎ちゃんあれ…』
「間違いねーな」
違法入手されたであろう銃や刀がテーブルに並べられていた。それを吟味する男、あれが買い手なのは見て分かった。目を回す勢いで隅から隅まで見渡す。大きな箱を運ぶ大男がいなくなった先の少し高い場所、そこに奴はいた。
___蔵場当馬。
ぎゅっと唇を噛み締めるとポンと頭に温もりが広がる。
見ると十四郎ちゃんが私の頭に手を置いていた。
それに少し安心し、私は微笑む。
私の顔を見て彼は少し頬を緩めた後すぐに顔を引き締め、行くぞと蔵場の元へ歩みを進めた。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年8月31日 0時