十五 ページ15
「関係ねーつってんだろーがァ!大体てめェなんで此処にいんだ!」
「副長!落ち着いて!」
『そうだよ、十四郎ちゃん。隣に病人いるんだから』
「うるせェ!大体おめーはなんでアフロなんだよ!」
『だから成り行きだって言ってたでしょーが!』
ザキちゃんと二人で十四郎ちゃんを止める。止めるつもりはさらさらなかったが隣に眠るミツバちゃんの事を考えると野放しにしておけるわけもなく、自然と手を伸ばしていた。
だが彼は怒るところが間違っていて止めたのが馬鹿らしく感じた。けどひっくり返せばそれくらい気が気じゃないってことだろう。こんなに心の中を荒らすなら最初の判断間違えなきゃよかったのにと溜息を吐くがそんな気持ちが伝わるわけもなく。
__つか力強すぎるんだよ、落ち着けよコノヤロー。
どうにかこうにか十四郎ちゃんを落ち着けると襖が開いて一人の男が正座の状態で頭を下げた。
「皆様、なんのお構いもせず申し訳ございません。ミツバを屋敷まで運んでくださったそうで。お礼申し上げます」
驚いた。こんなにも礼儀正しいもんなのかと。港にいた人物は別人なんじゃないかと疑うくらいだった。けど顔は同じ、作っているもんだとわからない私達じゃなかった。現に十四郎ちゃんは眉を寄せて蔵場を睨んでいた。この人はどうしてこうも分かりやすいのか。でもそれは私だけだったみたいで、他の人たちは気づいていないようだった。
この人が、ね。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年8月31日 0時