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Aがいなくなって1ヶ月が経とうとしていた
退院した神楽と新八が見たのは
荷物がなにもない部屋だった
神楽「銀ちゃん…、A、どこ行ったアルか!?」
神楽はそう言って銀時の胸ぐらを掴んだ
新八「神楽ちゃん、落ち着いて…、、、」
それを新八は苦い顔で抑えた
銀時は、Aが出て行った部屋をじっと見た
銀時「あいつ…本当に1人で…、」
新八「僕…、Aさんに、助けられたんですよ…
僕にあんなにまっすぐ向き合ってくれて…
殴られそうになったとき助けてもらったのに…
それなのに、僕は…僕は…っ!」
そう言うと新八は、溢れる涙を拭いた
神楽「わたしもアル…、
Aがいなかったら出来なかったこと
たくさんしたネ
たくさんしてもらったのに
わたしはなにもできなかったアル…」
新八につられるように神楽も目に涙を溜める
(ガラガラっ
勢いよく開いた扉から入ってきたのは
お登勢だった
お登勢「銀時、、A知らないかい、、、」
少し息を切らして言う
銀時「なんかあったのか?」
お登勢「あの子、うちにこれを置いてったんだよ」
そう言うと家賃と書かれた封筒と手紙を見せた
銀時「は、、?あいつが?なんで、、」
お登勢「ちょっと前に約束してね、、、
あの子、家賃払わないあんたらのために
頭下げたんだよ、私が絶対払うって
そんな約束を律儀に守っちゃってね、、、
あの子は他人のために頭を下げれるやつなんだ
銀時、、テメェのために頭下げてくれるようなやつ
そうそういないよ
そう言う奴を簡単に手放すんじゃないよ
銀時…あの子を見てると
どうもあんたと重なってね…
あの子は、危なっかしくてほっとけない
けど、絶対に倒れないよ」
そうお登勢は強く言った
新八「銀さん…」
銀時は、もうなにも分からなかった
1人でどっか行くようなやつを
俺に似てるようなやつを
守れるのか
正しい道はどこにあるのか、わからなかった
第一、今どこにいるのか分からねえ
それが1番厄介だった
銀時「あのやろう、、、、っ、!」
机を思いっきり叩いて
そのままふらふらと外に出た
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時