青藍の闘争２ (ページ31)

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A「そう、、だったんだ…、、

でも、ごめんね、一緒に戦おうって言ったのに

私、結局逃げちゃって、、、」

Aは嬉しさと同時に申し訳なさがこみ上げる

依央利「別にAは逃げてないよ」

A「逃げたよ、、あの日、

全てを失ったとき私、逃げたんだよ」

そう言って思い出すのは焼けた庭

ニヤリと笑う顔

依央利「あれは、逃げじゃないよ

逃げるっていうのは、全部投げ出すこと

諦めることだよ

この家から離れて遠くに行っても

それは逃げじゃないよ

逃げてないから…

だから、A、その木刀持って行ったんだろ？」

そう指を刺された木刀を見る

あの日、Aはたしかに逃げた

全部投げ出す気でいた

それなのに気づいたら木刀を持っていた

依央利「それに、俺が会いに行っても逃げなかった」

A「それは…、別に…、、」

依央利「だから、Aの根っこはまだ

なにからも逃げてないんだよ、

ちゃんと一緒に戦ってる」

そう言われてAは気づく

A「私は…、、「なにやってるの…」

突然聞こえた聞き覚えのあるその声に

体が強張る

言いかけた言葉を飲み込んで振り返ると

鬼の形相をした彼女がいた

わなわなと震える中村絹江

Aが嫌いで嫌いでしょうがない人

中村「なにしてるのって聞いてるの！」

ピシャリと言い放つその声に

ああ、まったく変わってないな

とAは思う

依央利「これは…、、」

中村「依央利さん、あなたには聞いていないの

お前だよ、お前に聞いているんだ」

ズカズカと入ってきて

Aの前に立つ

A「お久しぶり…です…」

こんな時なのに出てくる言葉はその一言

負けたくない

そう何度も思うのに、

全身で感じるのは、敗北感

その人には敵わないと感じ取ってしまっている

気持ちで負ける

土方の言葉がわかった気がした

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