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残された依央利は、




ふう、と深呼吸すると





草むらにいる3人に声をかける




依央利「そこのお三方、盗み聞きなんて



タチ悪いですね」




新八「す、すみません、、、」





焦る新八




神楽「うるせーヨ」




怒る神楽





そんな2人と違って銀時は落ち着いていた





銀時「けっ、気づいてて話してたくせに」





その様子に依央利は笑う




依央利「A、大人びてるでしょ」





銀時「あぁ、」




依央利「わがまま言わないし、欠点ないし」





銀時「ああ」




依央利「おまけに人との距離がうまい」




銀時「ああ、」




依央利「ガラスっていうのかな、



声は届くのに



曇って聞こえる



危なっかしいやつなんです



1人でガラスケースの中で綱渡りしてる」




銀時「あいつが渡ってんのは綱なんかじゃねえよ」




依央利「え?」





それまで適当に返事をしていた銀時は




急にそう言う




銀時「あいつが歩いてんのはちゃんとした道だ




普通の、そこらへんの、汚ねえ砂利道だ



あいつがそれに気づいてねえだけで」






味方はこんなにいるのにAは気づいてない




銀時はそんな風に言いたかったのだろうか




それとも、依央利が勝手にそう解釈したのか





依央利「たしかに、でも、、まぁ、、」





銀時 「そこがほっとけねぇんだけどな」
依央利「そこがほっとけないんですけどね」




その息の合った台詞に





その場にいた全員が目を開く






依央利「ははっ、あいつのことそういうふうに



いう人初めて見ました



よかったです、あいつのそばに




あなたみたいな人がいて




これ、渡しといてください、Aに




それと伝えといてください




たまには頼ってくれって」





銀時の手に渡ったのは1つの簪だった





銀時「なんだ、、これ、」






依央利「Aに聞いてください




じゃあ、俺は帰りますんで」






新八「か、帰るって、、




これ渡しに来ただけですか?」







依央利「そう、あと、言ったでしょ





様子見に来ただけだって」








そういうと手をひらひらさせながら帰っていった






神楽「銀ちゃん、結局




あいつ誰アルか」




神楽は、依央利の背中を見つめながら言う





銀時「さあな、、」






銀時は、簪を見つめながらそう答えた








何も話さないAの過去を





少しだけ垣間見た3人は






無性にAに会いたくなった

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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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