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銀時「おい」
布団に入ってすぐ銀時は、隣の奴に声をかける
A「…なんですか？」
隣の奴…Aは、チラッと横目で銀時を見て
また天井を見直した
銀時「あんた、どっから来たわけ？」
A「え？
…、、
数秒溜めたあと、Aは答えた
銀時「山城ぉ？？！
すんげえ遠くじゃねえか、
どうやってこんなとこまで来たんだよ」
A「どうやってって、、
電車とか船とか乗ってきました」
ほとんどは歩きだけど
そう付け足そうとしてやめる
銀時「はぁ、、ったく、なんでまたこんなとこに…
お前、、旅とか言ってたけど
家出だろ」
こちらをみる銀時になぜが目が合わせられない
心を見透かされてるような気がしたからだ
A「まぁ、、、そんなとこです、」
誤魔化すようにAはそう答えた
銀時「…なんでもいいけどよ、、
さっさと帰ってやらねえと親が心配すんじゃねえの」
A「…そうですね」
Aには正直、触れて欲しくない話題だった
早くこの話題から離れてほしかった
銀時「ったく、、、
気が向いたら帰ってやれよ」
銀時の言葉は
Aの目を少しだけ見開かせた
A「え、、すぐ、、じゃなくて、、？」
銀時「あぁ？
すぐでもいいけど、、
そんなんじゃ、ここまで家出してきた意味ねえだろ」
そういたずら顔でニヤリと笑った銀時を
思わず見つめる
A「そ、、ですね、、、」
銀時「じゃ、おやすみ」
そう言うと銀時はAに背中を向けた
不思議な人だ
Aは天井を向き直してそう思った
ぶっきらぼうで、、
でもどこか温かく優しい
この感覚をAは知っていた
あの人と似ていたからだ
そう思って気が抜けるのを感じる
ほっとする
不思議な奴だ
背を向けた銀時はそう思った
掴みどころがねえ
悪い奴ではなさそうだが、
いまいちわからねえやつだ
それに、向き合うその目は
俺を映してる気がしねえ
目が合ってるのに合ってる気がしねえ
銀時は、1人モヤモヤする
苦手だ
残った感情はそれだった
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作者名：おぐら | 作成日時：2019年10月20日 7時
