青藍の闘争 (ページ35)

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近藤「こんなに好きだって伝えてるのに

照れてるんだか、あの人は見向きもしない

いつも雑な返しばっかりでな、、、

それに夜の仕事をやっているんだ、

いろんな男がいる…」

止まらない近藤の話に

いつしかAも夢中になっていた

聞けば聞くほどその女の人にムカついてくる

近藤が不憫になってくる

A「その人、、、ひどいですね…、

こんなに想ってくれてる人がいるのに…

こんなにそばにいてくれてる人がいるのに

私がその人だったら

とっくに好きになってますよ、

見た目よりも大事なのは中身ですからね

顔がゴリラでも、こんなに優しいゴリラなのに」

Aはお酒が入ってるわけじゃないが

思わず熱弁する

近藤「あれ、おれ、ゴリラじゃないけど」

A「押してダメなら引いてみろです

そしたらきっと大切さに気づきますよ」

近藤「ねえ、無視！？」

A「引きましょう！近藤さん！

引いて引いてあの子の心をゲットです！」

近藤「な、なるほどなあ

さすがは、年頃のお嬢さんなだけある

こんなおじさんよりよっぽど説得力があらあ」

「はは、うるせえや」

いつのまにか会話に加わっていたおじさんに

近藤は悪態つく

近藤「ありがとよ

おかげですっきりしたぜ

Aさんとやら

あんたにもそんな人がいるのかい？」

「おお、俺もそんな話は聞いたことないなあ」

おじさん2人はAに笑いながら尋ねる

A「そんな人いないですよ

自分のことで精一杯

人を想うなんてできないです」

Aは、2人の期待を裏切るように

そう微笑む

近藤「ははは、

まぁ、今にわかるさ、

自分よりも大切にしたいものってやつが

俺もお妙さんに頑張ってみるよ」

近藤はAを励ましたあと

すっと知ってる名前を出す

A「え、お、お妙さん？志村妙さん…？」

近藤「そうそう

おっさん、勘定」

「はいよ」

近藤は、お勘定をするとじゃあと

さっさと帰ってしまった

A「えええええ？！」

Aの声は夜のかぶき町に響く

お妙さん、新八の姉、

彼女から聞いていた

ゴリラストーカーの話

とんでもない人を応援してしまった…

Aはお妙の不敵な笑みを思い出して

ぞっとした

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