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Aの歪んだ顔を見て
銀時はため息をつく
そのままソファで寝てるそいつを
トントンと叩く
銀時「おい、おい!」
ゆっくり目を開けたAは銀時の顔を見て
あっ、、という顔をする
A「ね、寝てた、、」
起きたAは自分が汗をかいていると気づく
それを拭っていると
銀時は不意にAを叩いた
A「っいた、、?
なにするの、、、」
銀時「毎度毎度、嫌な夢見てんじゃねえよ
ったく、お前、、、
いい夢の一つや二つ見れねえのかよ」
銀時に言われ
夢の内容を覚えていないAは
また悪い夢を見たのかと落ち込む
A「いい夢…、、
見ようとはしてるんだけど、、」
銀時「お前の弱点はそれだな」
勉強ができることをまだ根に持っていたのか
Aはそうだね、と苦笑いで返す
「そういえば、お前木刀持ってたけど
なんか習ってたのか」
よっこらせ
Aの隣に腰掛けた銀時は
寝室にあるAの木刀を見ながら
そう言った
A「あぁ、あれは、おじいちゃんの形見
習ったことはないんだけど、もらったの
私の中ではおまもりみたいな」
その時ふと、脳内である台詞が再生される
「おまえが剣を握るときは
大事なモンを守る時だけだ、
大丈夫、
その時は
私が守れるものなんてあるのかな
Aは、思い出した言葉を噛み締める
自分の手を見つめて
ギュッと握ってみる
思い浮かべた大事なモンを
手のひらにのせて握っても
その手から全てこぼれ落ちそうで
握った手が強くなる
寂しそうな顔、
満たされない顔
遠くを見つめる目
その様子を銀時はじっと見つめていた
A「あ、お風呂入るね」
その視線に気づいたのか
Aは力なく笑って
銀時の前を通り過ぎる
銀時「あぁ、、、、」
引っかかる
何かが引っかかる
しかし、その何かが分かるわけもなく
話してくれる雰囲気もなく
銀時は、いつまでも消えないその溝に
もやもやしていた
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時