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『ぎ、銀さん、、、?』
銀「はぁ、はぁ、、、」
走ってきてくれたんだろう
必死に引っ張ってくれたんだろう
わかるから、伝わるから…
『ご、ごめんね
ちょっと、探し物に夢中で…』
銀「探してるもんって、、これだろ」
そう言って取り出したのは
『そ、そう、、これ!
これなの!!どこに!!!』
まさしく私が探していた石だった
「一緒に洗濯したって
新八の野郎が」
『洗濯、、、はは、、そうか、、』
急に鮮明になる記憶
よかった
『本当に…よかった、、』
銀「よくねえよ
お前、俺が来なかったら轢かれてたんだぞ
もっと、自分のこと大事にしろよ、、」
消えそうな声でいうから泣きそうになる
『ごめん、、、なさい、、、』
(ぎゅっ
私の腰に回った手が
後ろから抱きしめられているのだと実感する
急に顔が赤くなる
銀「お前、、、帰るのか、」
それは思いもよらない質問だった
『え、、、それ、だれに、』
銀「サド野郎」
『総悟くん、、?』
口止めしといたのに、
いや、彼に口止めなんて無理か…
『うん、、帰るよ、、ごめんね
伝えるの遅くなって、』
銀「そうか、、、」
それから何も言わなくなった銀さんは
少しだけ腰に回していた手を強める
銀さんのくるくるの頭が首にあたる
『ぎ、銀さん、、、、、///』
口から出そうな心臓を堪えて
なんとか声を出すけど
何も答えない
どれくらいの時間かなんてわからない
ただ、ドキドキしてる割に
心地の良いその気持ちがずっと続けばいいな
って思ったのは事実で
願うと叶わないのが現実で
(すっ
急に涼しくなった背中が
終わりを示す
銀「…帰るか、」
赤い顔が冷めないから
みられたくなくて下を向く
銀「下ばっか見てると危ねえぞ」
男らしいゴツゴツしたその両手が私の頬を包む
(ぐいっ
真っ赤な顔を見られる
『……っ、、!!/////』
銀「お前、、、、」
それきり何も言わないまま
銀さんは歩いた
私も無言でついて行く
どう、思ったかな
男慣れしてないやつって
それよりも、す、、好きって…バレたかな
チラッと見て振り向かないその背中にため息が出る
あれくらい、なんともないか
言って寂しくなる
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月11日 3時