柑橘の香-2 (ページ14)

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「お二人さんお目覚めですかい？

2人で仲良く、微笑ましいよ」

明らかに、このグループのリーダー

そんな面持ちの人が私たちの近くにやってきた

思わずきよみちゃんを背中に隠す

「あんたかい、

その子守るためについてきたっていう騎士(ナイト)さんは、

バカだねえ、あんたも

こんな娘ほっとけばあんたは、無事だったのに」

ニヤリと笑う顔に背中が寒くなる

あのドSコンビとはちがうそのニヤリ顔

本当の悪っていうのはこういうとこから違うのか

なんて、呑気なことを考える

『別に私は騎士でもなんでもない

騎士は、今から…、来る、、』

「威勢のいいこと言ってた割に

あんた、弱いんだねえ、

結局、誰かの手を借りるのかい」

『っ！？』

何も言い返せないその言葉

「迷惑してるかもね、そのあんたの騎士とやらも

その弱い正義感なんぞに付き合わされて」

『そんなこと、、ない』

わかってる、ない、そんなことはない

わかってるのに自信がない、胸を張って言えない

「そこの小娘も同じだよ

父ちゃん母ちゃんに守られてるからって

いつまでも泣いて甘えて、、」

『なっ、、、！

あなたには関係ないじゃないですか！！

この子の、、、、何を知ってるっていうんですか』

「何にも知らないよ、

ただ、私たちが見てきた娘はみんなそう

みんな泣きながら叫んで、そして、死んでいく、」

あぁ、やばい、

さっきからずっとやばいけど

これは本当にやばい

命の危機ってこういうことだ

全身で、毛穴の一つ一つで感じる

「話しすぎたかねえ、

　

あんたは最後にとっといてやるよ

来るかわからない騎士を待たなきゃだからねえ

小娘を連れて行きな」

『や、、、だめ！まって、、

先に私、この子が最後

私の騎士が守るのは私の守りたい人

私の守りたい人はこの子』

「ずいぶん、余裕なんだね

そうでもないか、震えてる」

近づいてきたその男は

私の手を、顔を、なでるように触る

その手がひどく冷たくて怖くて

でも、涙は出なかった

「ただ、その願いは聞けないよ

その娘からだ」

そう言い終わると

持っていた刀をその子に向かって振る

私の体が反射的にその子を庇う

それはもうほぼ同時だった

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