柑橘の香-2 (ページ12)

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『…っな、離してっ、、！！』

掴まれた手があまりにも痛くて

持っていた醤油を落とす

(ガシャン

割れた醤油瓶から醤油が溢れてあたりが黒くなる

威勢のいいこと言った割に

私はその子も助けられず

自分までも連れ去られてしまった

その黒い水たまりだけがその場に残る

こんなことなら銀さんの助けを待てばよかった

定春に申し訳ないことしちゃった

勝手に自分1人強くなった気がしていた

誰も守れないのに

その感情を残して私は意識を手放した

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次に目が覚めたのは

小さな廃工場

ドラマでよく見る光景…、、

先に目を覚ましていたその女の子は

隣で泣いていた

『ごめんね、、、私、全然助けられなかったね』

「お姉さんが、悪いわけじゃないよ

私のせいで、お姉さんまでごめんなさい、、、」

『大丈夫、えっと、、名前は？』

「きよみ…、、、」

『きよみちゃん…私はA

きよみちゃんは、絶対に私が守るからね』

「は、はい、でもお姉さんも縛られてる…」

『や、お姉さんすごいから！

こんなんすぐ、、、あれ、外れない…』

「ふ、、、お姉さん、面白い人だね、、」

『た、頼りなくてごめんねえ、、、』

「あははは、うん、大丈夫」

笑ってる、、、よかった、、

『きよみちゃんは、何歳なの？』

「12歳です」

『12かぁ、、、私の妹と同じ』

「お姉さん、妹いるの？」

『うん。それはもう可愛いんだあ、』

「私も、弟がいるの

生意気だけど、、可愛いの」

『そっか、じゃあ絶対帰らないとだね

弟くん、心配で泣いちゃう、ね？』

「うん、、、、そうだね、」

私は、この子を守らなきゃいけない

大丈夫、銀さんたちが絶対に助けに来てくれる

それまで、絶対にこの子を守る

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