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追ってから3分
早くも見失う
まずいよ、、いよいよまずいよ
今更思ったんだけど、私あの場から動いてよかった?
後ろなんて振り返らずに歩いてきちゃったよ
もう、どこがあの場だったかも忘れたよ…、、
え、ちょっとまって…、、
今の状況のほうがさっきよりまずくない??
そんな考えがどんどん湧き出てきて焦る
焦った私が取る行動は1つ
『あ、、あの、すみません…
ちょっと道に迷っちゃって…、、
ここってどこですかね、、?』
道を歩いていた宇宙人じゃない
ちゃんとした人間に聞く
「あぁ? ここは、かぶき町だよ」
振り返ったお兄さんは見るからに…、ヤンキー、、
思わずひるむ、、、、けど、、
ビビってる場合じゃない!
聞いたもん勝ちだ、聞いてしまえば怖くない
『か、かぶき町?
あれ、私の知ってる歌舞伎町?』
「んなとこ、知らねえよ、
ひらがなのかぶき町!!
なんなんだよ、あんた、」
『わ、私が聞きたいです…、、
なんなんですか?私、どこですか、ここ、、』
「しつけえな、アンタどっからきたんだよ」
『八王子です、どうやったら八王子帰れますか?』
怖いお兄さんに住んでるとこばらしちゃったよ、、
そんな後悔した私に返ってきた言葉は予想外で、
「はちおうじだあ?
なんだ、そりゃ、どこだ、どこの田舎もんだよ!」
『え、』
『八王子ですよ?八王子!!
そりゃ、、東京の郊外だけど!
割と栄えてるし?特急止まるし?
そこを田舎だなんて…、、』
「本当に、アンタ大丈夫か?
さっきから言ってることが意味わかんねえよ
とうきょうってどこだよ、それに特急?なんだそりゃ」
『いやいやいやいや、、
東京って、ここも東京でしょ?
どこだよ、かぶき町ってどこあるの、、』
少しも噛み合わない会話に
握る手も汗で滑る
「ここは、、「江戸だよ」
私の背後から
きついタバコの香りと
低い声が響いた
前にいたヤンキーのお兄さんは
その人たちを見るなり
「あとは、そいつらに聞けよ」
なんて言ってそそくさといなくなってしまった
振り向いた私は目を見開く
『あ、、さっきの、、、』
「あぁ?」
こっちを睨むその顔は
紛れもなくさっき私が追っていた
人たちだった
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月8日 16時