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『またそれですか、、、
ないないって、さっきの人にも言われましたよ、
ないってどういうことですか
八王子は、百歩譲って、、
いや、知らないのもおかしいですけどね?
八王子はまあ許しますよ?
でも、東京知らないって
仮にもいい年した組織の大人が知らないなんて
東京ですよ?
歌舞伎町のある東京』
私は半ば呆れながら話す
「なんか、テメェムカつく野郎だな、
んなこと言われたって知らねェもんは知らねえよ
ただ、かぶき町はここにしかないはずだぞ
この、江戸にしか、、」
ひゅん、
冷たい風が背中に通った気がした
嫌な予感というのはなんでこうも
全身で感じるのだろう
『え、ここ、日本ですよ、、ね?』
「あ?あたりめぇだろ」
『で、その、首都っていうか、
あの、日本の真ん中?は、、、』
「だから、この江戸だっつってんだろ」
ああ、
なんだろう、この感じ
頭で理解するよりも先に体が理解したというか
違う世界に来てしまっている
そう確信した
別の国とか、別の星、とか
そんなものを通り越した
異世界に…
『あぁ、はは、
そうですよね、、江戸、、あ、じゃあ、』
「あ、おい!」
正気を失った私はお辞儀だけして
背を向けて歩く
(ドン
前なんて見てなかったから
人にぶつかった
『あ、ごめんなさい、』
「こっちこそ、」
声につられて見上げたその人は
銀色の髪をしたくるくるパーマの人だった
そのくるくるパーマはさっきまで話してた
組織の人を見ると露骨に嫌な顔をした
「なんで、テメェがこんなとこにいんだよ
レッツパーリーですか?こんな真っ昼間っから
レッツパーリーですか?」
「あぁ?仕事だよ、ふざけんな!
おめぇみたいに昼間から
こんなとこでレッツパーリーするほど
こっちは暇じゃねえんだよ」
どうでもいい喧嘩を横目でみて
私はまた背を向けて歩き出す
「あ、待て!おい!」
黒い服の人に呼び止められた
「万事屋、依頼だ
こいつの家、探してやってくれ
おめえに仕事くれてやるんだ、感謝しやがれ」
「いらないんですけどォ?
毎日忙しくて、ニコチン中毒さんからもらうほど
困ってないんですけどォ?」
「だまれや、腐れ天パ」
黒い服の人、、ニコチン中毒さんは
ゴホンと、咳払いして
私の方を向いた
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月8日 16時