【原神】月の命日 (ページ5)

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柊朔は往生堂を後にした。
鍾離のもとには、まだ旅人とパイモンが残っていた。

「流石鍾離だな！薬学にも精通してるなんて！」

「……凄く昔に、病にかかったやつがいてな、その時に作った薬を今でも作ってるだけだ。」

「へぇ〜。あ。凄く昔って言葉で思い出したんだけど。今日講談を聞いて、月姫って人が出てきたんだけど……本当に存在したのか？」

鍾離の動かしていた手が止まった。
沈黙が続く。

「そ、そういえば。なんで公子と一緒にいたの？」

「ん？あぁ、少し話しがあってな。」

旅人がすかさず話しをそらした。
パイモンが口パクで、「助かったぜ」と旅人に言った。

二人は、月姫に関しては聞いてはいけない事だと理解した。

二人が帰った後、鍾離は一人月を眺めていた。
手に持った酒には、月が浮かんでいた。

「瑠璃……。」

その顔は、凄く悲しそうだった。

「今日も依頼をこなすぞ〜！」

ある日…旅人達は冒険者協会の依頼で、軽策荘に来ていた。
どうやら花畑に大量のスライムが現れたようで。

「見ろ！風スライムが花畑を荒らしているぞ！」

「！」

旅人は剣を構えた。

巧みな剣さばきで、風スライム達を倒していく。

「ふぅ……。」

「おぉ！やったな！」

喜んでるのも束の間。
今度は岩スライムの姿が。花畑の土を荒らしている。

旅人は剣を構えた。すると。

「堅如盤石。」

彼女達の前に、柱が立つ。
そして槍が目の前を通っていった。

「鍾離！」

「ん？旅人か。」

「何でこんなところに？それに、スライムを倒すのは冒険者協会の依頼で……。」

「でも先生のおかげで助かった。」

「おう！確かにそうだな！」

彼女達は何故か鍾離と出くわす。

「実は琉璃百合を摘みに来てな。そしたら、スライムが大量発生してると聞いて少し退治してただけだ。」

「やっぱり鍾離は優しいな！」

会話をしている間に、危険を察知したスライム達が逃げ出そうとしていた。

「氷スライムに、水スライムだ！」

「ここで逃したら他の場所で被害が出るかも。」

旅人は花畑を降りていく。

しかし……。

「万雷よ、落ちろ！」

目の前に、多数の雷が落ちた。
そう叫んだ人物に、彼女達は見覚えがあった。

「柊朔？」

「ん？あの時の！久しぶりですね。」

そこには、血を吐いてた者とは同一人物には見えない…柊朔という女性がいた。