5話 ページ7
蛍「良いよ、それでも。私が守る」
『え、イケメン惚れる…結婚して…』
蛍「やっぱり一人で野宿してて」
『ガチで泣きそう。嘘です!!』
とは言っても、まあ行かないんだけど。
そう告げれば、蛍ちゃんは不思議そうに首を傾げた。パイモンも意味が分からないのか頭を掻いている。
『足手纏いはごめんですよ。ここに来た時点で野垂れ死には覚悟ですし。て言うか、まあ、ほら。若さがあるからどんな仕事でもしてお金稼げば生きていけます』
ディルック「…君、それをするより彼女と旅をした方がリスクが低いかもしれない」
『え!?自分労働力にもならない感じですか!?そりゃあ確かに引きこもりオタクだから体力はそんなにないかもしれませんけども…』
オタク本当に悲しい。
しくしくと泣いた振りをしていれば、蛍ちゃんは考えた様な仕草をしてから言う。
蛍「足手纏いなんて思わないよ。それよりも、何処かで野垂れ死んじゃう方が気にするよ」
『本当に優しいね…』
パイモン「オイラもおまえと旅しても良いぜ!一人くらい増えても何も困らないしな!」
『かわいいな…』
それでも、何だか踏み込めないのはどうしてだろう。ぶどうジュースを一口口に含みながら考える。
…誰かの邪魔になるのが怖い?いずれ邪魔だと捨てられるのが怖い…の方が正しいのかもしれない。
蛍「それに、多分ここ以外にも好きな人とかいるんでしょ?私について来たら会えるよ」
『行きます』
蛍「うん、だと思った」
蛍ちゃん…!あなたって子は…!オタクの扱い方まで上手いの…!?
脊髄反射で答えてしまってから項垂れた。もうこの先は極力邪魔にならないように頑張らないといけない。そして愛を語る。
ディルック「…とりあえず。モンドに暫く居るのなら、その間の宿提供ならしよう」
『何でそんなにも何処の誰か分からない奴に優しいんですか???みんな好き結婚しよう…』
ディルック「その一言さえなければ良いのに」
『その言葉は心にしまっておいてください旦那』
何故旦那呼びなんだ。そう言いながらまた眉を顰めた。かわいいな。
ちなみに自分、ディルックさんの事は大好きである。最初の方で一目惚れして以来ずっと好きだ。
『旦那の顔がドンピシャで好き…色々なギャップが好き…お酒飲めない所とか…』
ディルック「どうして知って…君、静かに」
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作者名:ポマ | 作成日時:2022年8月29日 9時