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事情5 ページ7

「て言ってもなー、ティナリの言う『彼女』は今ヤスナ幽境(ゆうきょう)にいるんだろ?ここを出発する前に先に、コレイの様子見に行こうぜ!」




ティナリはこの後用事があると言って、やるべき仕事へと戻っていった


取り残された二人は、当初の訪問目的であった彼の弟子、コレイに会おうと村を少しだけ歩けば、コレイが丁度花を日当たりのいい場所に移動させているのが見えた




「おーいコレイー!」




パイモンが再びぶんぶんと手を大きく振れば、彼女は自身に近づいてくる知り合いを見つけ控えめに手を振り返した




「旅人にパイモン、久しぶり」


「コレイ、身体の調子どう?」


「もう随分と良くなったよ。でも師匠からはまだパトロールするなって言われてて」





空が尋ねれば、花が咲いたような笑みを浮かべながら答える


確かに今の彼女は、魔鱗(まりん)病が罹っていたとは思えない程表情は明るい




「ところでコレイは、ティナリの言う『彼女』が誰なのか知ってるか?」




パイモンはティナリが言っていた彼女についての話題を口にする




「彼女…?」





コレイは少しだけ逡巡(しゅんじゅん)した後、思い出したように口を開く





「あぁ、それならAのことか?」


「A?」





初めて聞く情報に二人揃って首を傾げる





「あれ違ったか!?師匠の知り合いでよく話に出てくる人なんて少ないからてっきりそうかと…」





二人の不思議そうな顔に慌てるコレイ





「いや、オイラ達も名前を聞き出せてなくてだな…ティナリの言う動物学者が誰なのかコレイなら知ってるんじゃないかと思って聞いたんだ」


「あぁ、なるほど…師匠が動物学者と言っていたなら彼女で間違いない。けど、なんで彼女のことが知りたいんだ?」




今度はコレイが不思議そうな顔をする番だった




「実はティナリからおつかいを頼まれてて…」


「なるほど…でもあたし、あんまりAのことは知らないんだ…ていうのもここに彼女が立ち寄る時は本当に一瞬で…会うことが難しいんだ」




申し訳なさそうに眉尻を下げるコレイ


力になれず申し訳なさそうにする姿は人助けが趣味な彼女らしい




「いやいや、名前だけでも知れて良かった」




空は申し訳なさそうにする彼女にそう言う




「ほんの少しだけでも力になれたなら良かった」




その言葉にコレイは少しだけ安堵した表情を見せた

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宇琉夜ハル(プロフ) - 夢主とpaimonnと空が入った場所今更ですけど見つけましたー! (5月25日 13時) (レス) @page11 id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぞーきん。 | 作成日時:2023年1月11日 9時

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