【銀魂】藍沢さんは誑すのがお上手【坂田銀時】 (ページ31)

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31.仲良くしましょページ31

Aside

依頼をして一番最初に出会った九兵衛さん
皆からは九ちゃんと呼ばれているみたい
可愛らしいあだ名……私も呼ばせて貰えるかな？

九｢ぼっ、僕は可愛くなんか……！｣

『ううん、とっても可愛いし綺麗よ。何故、男性のような格好をしているの？』

九｢……｣

＿＿そして、九兵衛さんのお家柄のことを知った
武士の家系、剣術の名門
そんな家の下に生まれたため、幼い頃から男性として育てられてきた

九｢……だから、僕は貴方が思うような娘じゃないよ｣

鋭く目を細めてこちらを見た
……やっぱり少し、敵意を感じる
どうしてかは分からないけど、会ったときからあまり好意的に思われていないみたい

仲良くなりたいんだけど……

『九兵衛、さん……少しお話させてもらっても？』
九｢……あぁ、構わないよ｣

ここは、どう思われてもいいから、素直に心の内を明かそう
そして、少しずつでも距離を縮めていこう……

『私……この町に来たばかりで右も左も分からないけど、
　それでも九兵衛さんが魅力的な人っていうのは分かるわ』

九｢！……｣

綺麗な形の目を丸くして、驚いている
きっと予想外だったのだろう

『私は、この町の色んな人と仲良くなりたい。勿論、九兵衛さんとも。
　だから、いつかは余計なもの全部取っ払って、お話しましょ……？』

……長々と話してしまったな
余計に嫌われてしまったかしら
でも……きっと、伝わっているはず

だから、これ以上の言葉はいらない。

しばらく黙って私達を見つめていた三人とお妙さんに声をかける

『……では、次の場所へ行きましょうか』

新｢はっ、はい！｣

神｢ウン！｣

『お妙さんも……お二人でいる所をお邪魔しました』

妙｢Aさん……｣

銀｢……んじゃ、行くか｣

九ちゃん達に背を向けて歩き出そうとした、
その時。

九｢待ってくれ｣

『！』

九兵衛さんに呼び止められた
何かと思い振り向くと＿＿

『九兵衛、さん……？』

すぐ目の前、ほんの数センチの距離に彼女が
そして、少し気恥ずかしそうに一言呟いた

九｢……きゅ、九ちゃんでいい。その呼び方は、違和感があるから……｣

目線は反らされていてよく見えないが、
さっきより幾分か優しい顔をしているのが分かった

……こっちまで顔が緩んでしまうわ

『……ええ。またね、九ちゃん』