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23.依頼をさせて ページ23

Aside


『今日はありがとうございました。ではまた……』


本格的に出勤し始めるのはもう少し後になるため
今日は開店を見届けてから帰ることにした

どの方も本当に優しそうで、安心したわ
ここなら楽しく働けそうね


『三人も、わざわざ来てくれてありがとうね』


三つの顔を順番に見ながらそう言えば、三者三様の反応が帰ってきた

神「Aのカッコイイとこ見れて楽しかったヨ!また来たいアル!」

銀「別にいいけどよォ………なんか、男として負け……いや、そんな事ない。ないから……」

新「何ブツブツ言ってるんですか。気持ちは分かりますけど……」


『? 銀さんも新八くんも、どうしたの?』

神「ほっとくネ。ちょっとメンタルやられてるだけヨ」

『?そう……』



暗い顔の二人が凄く気になるけど
まあ、それぞれ何かあるんでしょうね
それが何なのかは知らない。






『……!あぁ、そうだ』


ふと思い出したように私が声を出すと
ゆっくりと歩いていた三人の足が止まった



神「どうしたアルか?」

新「何か、忘れ物でも……?」



心配そうに声をかけてくれる二人
大丈夫よ、そんな大事ではないからね



『まだ、万事屋さんに依頼があってね……』

新「えっ、本当ですか?」

『えぇ、本当ですよ』


敬語の口調を真似して答えてみる



新「!あ、あはは……で、どんな依頼なんですか?」


うっすらと頬が色づく
この子も随分と可愛らしいけど……変な事をしたら、お妙さんに怒られちゃうかな
大事な弟だって。……素敵な姉弟ね



『この町の色んな場所を、案内して欲しいんだけど……』


そう。この町についてもっと知りたいと思っていた
だって、初めに出会ったのがこの万事屋さんなんだもの
他にも、面白くて優しい人がいっぱい居るはず




銀「おいおい、そんなモン一人でなんとかしろや……お前、肝据わってるからイケるって」

『お金は、ちょっとずつでも払いますよ?』

銀「案内させて頂きます」


銀さんの変わり身の速さに、少し笑ってしまいそうになる
相当、金銭面に問題があるんでしょうね
まぁ、実のところ私もお金に限界があるんだけど……




新「あれ……でもAさん、引っ越してきたばっかりですし、お金は大丈夫なんですか?」

神「確かに……晩飯作ってくれたときも、お金ない言うてたアル」



おっ、するどいな新八くん
正に今私が考えていたことを当てるなんて……エスパーなのかな?

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作者名:よらく | 作成日時:2021年9月7日 20時

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