19.娯楽の餌食 ページ19
Aside
表情をコロコロと変える土方さんを見て、少しばかり欲がでてしまった
……少し、少しだけね?
『土方さんは、お優しいのですねぇ……好きに、なってしまいそう』
前に銀さんにやって見せたように、袖で顔を隠す
意図的に目を逸らし、恥じらうようにそう言ってみた
土「なっ……」
声を聞いた感じだけなら、反応は良好
やっぱり私の目に、狂いはなかったみたい
土方さんも、ずっと面白い反応をしてくれそう……
土「お、お前なぁ……」
『ええ、なんでしょうか?』
真面目な彼の事ですから、やっぱりお説教が始まりますか
私の言うことは、そんなに真剣に聞かなくてもいいのに……
まぁ……私の性格を知らないのなら、当然ではありますが
土「ッそういうことを簡単に」
銀「土方クン……今の冗談、ただの嘘」
土「……は?」
まだまだ楽しみたかったというのに、
いじわるな銀さんがコソッとネタバレをしてしまった
どうして私の楽しみを奪うのですか銀さん……!?
『もう銀さん、なんで先に言ってしまうんですかぁ』
土「……え??」
……それでもいい表情をしていらっしゃる
やっぱり土方さん……貴方は素晴らしい素質を持っていますよ
大きく目を見開いて驚いた顔に笑いそうになりながら
事情を説明していった
『ごめんなさい土方さん。私、こういう質の者でして……』
土「くっそ……」
『っふふ……』
騙された、と土方さんは苦い顔をしている
ごめんなさいね……これからも少し付き合ってください
それに対し沖田くんは……
沖「Aさん……アンタ最高でさァ」
何故か、すんごく嬉しそう
上司が困っているのに嬉しそうだなんて……
この子も変わった子ね。
土「なに喜んでんだテメェ……!」
沖「あんなに焦った顔なかなか拝めませんよ……これからは姐さんと呼ばせてくだせェ」
『!あらあら……弟ができちゃったわねぇ、ふふ』
可愛らしい弟の出現に
なんとなく嬉しい気分になっていると……
神「オイ……Aはお前のじゃないっつったロ?!ワタシの許可無しに近づくなヨ!!」
神楽ちゃんが怒りだしてしまった
……私のせいかしら
でも……二人の間にいる私としては微笑ましいかも
『まぁまぁ……二人とも仲良く、ね?』
本当に、元気のいい弟と妹ができたような気分ね。
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作者名:よらく | 作成日時:2021年9月7日 20時