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*・第六話・* ページ7

「「いやいやいやいや」」









私と土方君は同時に割って入る。
割って入るというか、神楽ちゃんの様子を見る為
だったのだが。









神楽ちゃんの熱い視線を辿ってみれば、
その先には沖田君。
何度辿っても沖田君、沖田君、沖田君…
何があったよ。お前らめっちゃ仲悪いはずだろが。









「ねえ神楽ちゃん、何があっ…んっ、まさか…」









「どうした、A」









「ちょっと土方君、この林檎見てよ。なんかおかしくねえか?蜜の色、ちょっとピンクっぽいし」









私は神楽ちゃんの手から林檎をするりと取る。
もう沖田君しか目に入っていないらしい神楽ちゃんから林檎を取るのは容易だった。
それを土方君に見せてみれば、返ってきたのは
ため息混じりの返事。









「やっぱりな。違法な薬っつっても…この効果から
察するに、俗に言う『惚れ薬』とかいう奴だろ。
物によって様々だが、一般的には薬の効果で惚れさせる事が出来るっつー代物だ」









「惚れ薬…?へー、そんな物があるんだ。
じゃ、これは神楽ちゃんがマジで沖田君に惚れたんじゃない訳だな?ああ怖かった」









土方君の答えに安堵の溜息をつき、もう一度
神楽ちゃんに目を向ける。
が、それは先程より状況が悪化していた。









「なんでィ、クソチャイナ。とうとう頭やられたか」









「酷いヨ。何で私の愛が伝わらないネ。もう全部がカッコいいアル、大好きヨ」









「あー沖田さん理性切れちゃうよーいいのー?」









「それは俺たちが良くないからな、総悟」









目を細めて土方君が冷静にツッコむ。
それは私も同感だ。
つーか何この状況。カオスにも程があるわ。
天人に文句を言おうと息を吸ったが、既に天人は
いなくなっていた。









「のヤロー…逃げやがって…」









「あらあら土方君ってばドンマイ。逃げられちゃったねー?」








「何だろう、本当はお前の事すげえ好きなんだけど今だけはクソうぜえ」








「しれっと気持ち悪い事言うな変態野郎」








私たちがこんなやり取りをしている間にも、
横ではカオス化が進んでいるわけで。
これじゃ埒があかないと、私たちはそれぞれ
無理やり連れて帰る事にした。









「ぬおおーっ!A何するネ!おい!」









「帰るぞ神楽ちゃん。晩飯が冷めちまうだろ
…じゃあな、土方君。沖田君も」









駄々をこねる神楽ちゃんを、私は引きずり帰った。

終わり←*・第五話・*



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梍鵺(プロフ) - こっ…これで終わりですか?続き、待ってます…… (2019年10月12日 17時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - ヤキさん» 本当ですか!?めちゃくちゃ嬉しいです!頑張って更新しますので、これからもご閲覧くださると幸いです! (2018年11月15日 18時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
ヤキ - 面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年11月15日 18時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼桜 | 作成日時:2018年11月15日 17時

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