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*・第五話・* ページ6

もう日が暮れてきていた。
夕日に照らされたかぶき町の町を、
万事屋目指して神楽ちゃんと二人で歩く。









「ちょっと良いかィ?そこのお姉さんたち」









「あ?…んだよ、お前誰だよ」









声を掛けられた私は、舌打ちと共にそう返す。
神楽ちゃんもめんどくさそうに言った。









「良くないネ。今忙しいアルヨ。私達には晩飯を
食べるという重要なミッションがあるアル」









「あるある…?まあ良い。どうせ暇なんだろう?
ほらこれ、ちょっと見ていかないか?」









神楽ちゃんの独特な口調のお陰でどうでも良い勘違いをしたらしいが、そいつはすぐに話を戻した。
『そいつ』とか言っているが、実際は怪しげな天人
だった。
手には見るからに禍々しい籠を持っている。









「…?何それ。林檎?」









「うおっ、美味そうアルナ!」









「そうだろうそうだろう。実はな、これには特別な効果が…って、お嬢さん!?」









満足げに林檎の説明をし始めた天人には目もくれず、神楽ちゃんは勝手に籠から林檎を奪うようにして、一口かじった。
シャリ、という音に重なって聞こえたのは、
「おい」という重低音。絶対彼奴だ。









「土方さん、あれが例の天人ですかィ?」









「ああ。あの林檎、あれにゃあ違法な薬が混ぜられてるらしくてな…うおあえ?」








台詞の締めが完全なるキャラ崩壊となった彼の視線は、完全に私に注がれていた。
オイコラ待て。神楽ちゃん気にしろ神楽ちゃん。
この子食べてるから。違法林檎食べてるから。
現在進行形で食べてるから。シャリシャリ聞こえてきてるから。








「あっ、Aと…んだよ、クソチャイナじゃねーかィ。言っときますけど、土方さんのストーカーに付き合わされたわけじゃありやせんからね」








「ああ。んなこたァ分かってるよ。大体、今の土方君の反応から察せられる通り、その天人に用があるんだろう?私だってそこまで鈍くはないさ」








「それなら話が早いってモンだな。…ってか、
チャイナお前…何食ってんだ阿保!!」








やっとシャリシャリしている神楽ちゃんに気付いたらしい土方君は、声を荒らげる。
でも、神楽ちゃんは既に心ここに在らずという感じだった。何故なら…








「クソサド…おかしいネ、なんで今日は彼奴があんなにカッコよく見えるアルか…?」








ぼーっと突っ立っている沖田君を、頰を染めて眺めているからだった。

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梍鵺(プロフ) - こっ…これで終わりですか?続き、待ってます…… (2019年10月12日 17時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - ヤキさん» 本当ですか!?めちゃくちゃ嬉しいです!頑張って更新しますので、これからもご閲覧くださると幸いです! (2018年11月15日 18時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
ヤキ - 面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年11月15日 18時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼桜 | 作成日時:2018年11月15日 17時

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