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*・第一話・* ページ2

兄貴に夕飯の買い出しを頼まれ、スーパーに
行った帰り道。
因みに兄貴というのは万事屋店主のマダオ、
坂田銀時である。








手に四つほどのレジ袋を下げ、私はそれを引きずるように道を歩いていた。
その時だ。








ふいに耳に入ってきた微かな足音に、
私はピタリと足を止めた。
そして、後ろを振り返らずに口を開く。








「さっきから後をつけてきて、一体何の用だ?




_土方さんよ」








私の言葉に、後ろからは息をのむ音が聞こえた。
それから、ゆっくりと、溜息と共に背後まで近づいてくるのが分かった。








「何でお前はそんなに勘が良いんだよ。
本当に万事屋の妹か?」








「そうだよ、万事屋の妹だよ。
して、土方君。お前さんは何故私をストーカーして
いらしたのかね?」








まるで『ストーカー』という言葉に反応したかの
ように、土方君がピクリと眉を動かす。








「誰がストーカーだよ。失礼な奴」








「そんなんじゃどっかのストーカーゴリラと一緒だぞ、やってる事が」








「それ絶対近藤さんだろ。ストーカーじゃなくて、
あの人なりの愛情表現なんだよ、アレは」








「ゴリラ否定してこう!?」








そんな不毛なやり取りをしていると、背後から力の抜けた、聞きなれた声がした。







「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。
中学生ですか、コノヤロー」








「あ、マダオ兄貴じゃねえか。悪い、ちょっと邪魔が入っちまってな」








「誰がマダオ兄貴だ!…土方君、いい加減うちの妹の事は諦めてくれよ。分かったな?ほらA、
さっさと帰るぞ」








「あいよ、兄貴。それじゃあな、土方君。
私なんかじゃなくてもいい女なんか山ほどいるだろ。頑張っていい人見つけてくれ」








じゃ、と私は土方君に挨拶してから、兄貴について
またレジ袋を引きずって歩き出した。








「_ったく、めんどくせー兄妹だな、彼奴らは」








という、土方君の呟きを背中に受けて。









「ただいま、新八君、神楽ちゃん」








「あ、お帰りなさいAさん。
銀さんも一緒だったんですね。」








「お帰りアル、Aに銀ちゃん。
私腹減ったネ。晩飯早く食べたいヨ」








「はいはい」








夕食当番の私は、キッチンに立って調理を始める。
ザ・一般的な人間だ。
私の普通じゃないところ_強いて言えば_






あの鬼の副長に、ストーカーされてる所、かな。

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梍鵺(プロフ) - こっ…これで終わりですか?続き、待ってます…… (2019年10月12日 17時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - ヤキさん» 本当ですか!?めちゃくちゃ嬉しいです!頑張って更新しますので、これからもご閲覧くださると幸いです! (2018年11月15日 18時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
ヤキ - 面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年11月15日 18時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼桜 | 作成日時:2018年11月15日 17時

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