スリルが10 中原said ページ11
俺には日課がある。
それは、帰る時だ。
本来の帰宅方向とは真逆に車を進ませる。
この方向には、彼奴の家がある。
彼奴の様子が気になっからとかじゃねぇぞ?
只、見つけたら弄ってやろうと思って通っちまうんだ。
だが、今日は何時も通りとはならなかった。
中原「ありゃぁ、何だ?」
遠くからでも見える黒い煙。
火事かぁ?
ー現場ー
中原「おいおい、こりゃぁやべぇだろ」
彼奴のアパートが燃えてやがる。
…彼奴が中にいるとかねぇよな…
何故焦ったかは知らねぇが、人混みをかき分けていった。
その時、横から袋の落ちる音が聞こえた。
見ると白髪の男。
彼奴だ。
スマホを即座に取り出してっけど、顔は撃沈してやがる。
流石に普通に声かけるなんざ、出来ねぇし…
バシッ
「っー…誰ですか、あ」
何となく腹が立った。
そういやぁ、此奴に今日馬鹿にされたなぁ…
同じ事言ってやるか
中原「どんまい」
「俺と同じ事言うなよ…」
中原「まぁ、なったもんは仕様がねぇな」
「なぁ、何で手前此処にいんだよ。ストーカーか?」
やべ、聞かれた…
中原「たぁまたまだ」
俺は誤魔化す様に此奴の帽子を奪った。
「あっ、おい!返せよ!」
彼奴はチビだから、念の為に帽子を上に上げてやった。
そんで、連れて来たのは俺の車の前
中原「乗れ」
「はぁ?何処行くんだよ」
中原「俺ン家」
「は?何で」
中原「住む所を貸してやるっつてんだよ」
「…________」
中原「ぁあ?」
「ンでもねぇよ…阿呆」
聞こえてるっつーの…
何が『ありがとう』だよ…
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作者名:鳳藍 | 作成日時:2017年8月17日 16時