【WTs】ギルドおいしい？ (ページ6)

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「おお…！」

朝、スマイルに連れられてやってきたのはギルド、ちょっと立て付けの悪い木製の扉をぎいぎい鳴らしながら入ると既に大勢の人が中にいた

3人で切り盛りしている受付の一番端のお姉さんに話しかけると身分証とギルドのランクメダルを2人分、スマイルに手渡される

…昨日はこれの発行に時間がかかってしまったらしい
当然だ、私の戸籍は存在しないのだから

頭がごちゃごちゃになってしまうためお姉さんの説明は主にスマイルが受けている

『ミナミ』にツテがあるから大丈夫だろ、と昨日スマイルは言っていたがミナミがなんなのかもどんな類いのツテなのかもわからない

ただ発行できたということは彼の読みは当たっていたと言うことだろう

説明が終わったらしいスマイルに促され壁際に移動する

「これがAの分、無くすなよ」

「すごい！Eって掘ってある！」
「一番下な」
麻紐の先に片手で収まる程度の銅製コイン、そこに文字が掘ってある

「あれ、スマイルはD…」
心なしかDのコインの方が彫りが細かい…
ランクとコインの質も比例するらしい

「昨日魔法が使えるかの確認をされたからな、その差だろ」

私は首にかけ、スマイルは懐にそれをしまう

「俺らの等級だとクエスト内容の確認に受付は入らない。そこのボードからやりたいやつ選んだら来いってさ」

顎でくい、と示された先には木製でできた建造物と同型色の大きなコルクボード
ボードにはそれぞれの報酬を含めたクエスト内容が記載された紙が煩雑にピンで止められていた

ざっとCからEランクのクエストがあるらしい

「とりあえずE受けてみるか、これなんか良いだろ『薬草の回収』」

彼は流れるように有象無象の依頼内容を把握し、一枚ちぎりとったと思ったら返事も待たずに受付でクエストを受理した

「多めに取った分は自分達の分にもできるらしいぞ」

「スマイルの回復薬が手持ちないなら頑張ってたくさん取ろうか！」

「手持ちはあるが…これからのクエストに向けて多めに持ってても良いな」