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僕が生きている意味とは。
最近、そのような問いが頭から離れないのだ。今日もそれで勉強に集中できなかった。
「テスト前なのにな……」
ああ、なんてダメなやつなんだ、僕は。
「もういい、外へ出よう」
家の中に居ても、この状態では勉強できない。外はすでに赤く染まり始めていたが、親は外出を許してくれた。

家から5分ほど歩いたところに、海がある。僕は、辛くなったらよくここへ来るのだ。
そこでは、太陽が海に沈もうとしていた。赤い光が海に散らばっている。赤の中に、少しだけ白を混ぜながら。空も、雲も、全てがオレンジ色に染まっていた。
(きっと今、僕もオレンジ色に染まっているんだろうな)
海を見ていると、なんだか心が落ち着いてきた。生きている意味なんか、本当は誰にも存在しないものなのではないか。例えば今僕が、この赤く輝く海に沈んだところで、誰も死ぬことはない。それなら、誰にも生きている意味はないのではないか。
(それなら、僕はこんなに苦しまなくてもいいんじゃないかな)
海を見ながら、そう思った。
心の中に広がっていた黒い雲が、海に流される。いつのまにか日は沈み、三日月が黒い海を照らしていた。海は、金色を散りばめ、星空を映す鏡のようになっていた。
(僕も、あの金色の中の一粒でいい)
消えては現れる金が、僕の心を明るくした。
意味なんかなくても。消えたところで困らなくても。
「僕は、輝いていたい」
そう思った。

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作者名:Resonance | 作成日時:2019年2月11日 15時

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