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逃走劇をしばらく繰り広げたAは
天井亜雄が所持する車らしき物を見つけた
『イエローとは、また随分ハデな…』
バイクから降りてヘルメットを外すと
そのまま車の方へ行くためにフェンスを飛び越える
天「はぁっはぁっ…はっ…クソっ!ウイルス発動までもってくれ!!」
車内では天井亜雄がヒステリーを起こしていた。
計画の進行状況
一方通行に自分を見られたこと
それが彼の焦りを煽っていた
ハンドルを叩いて車体が揺れる
そんな彼に、カツン、カツンとエンジニアブーツの金具が揺れる音は届かない
ガチガチと歯を揺らし身体が震える彼を
彼女が目視する
そんなAの姿を天井が気づくはずもない
刹那、コンコンと窓がノックされ
天「ヒィッ!?」
ビクリと体が跳ねると、操作をしてもいないのに運転席の窓が開かれた
『こーんばんわ』
天「あ…お、お前は…」
にっこりと上品に笑うAが立って
彼女の能力で窓が勝手に操作される
そのせいで、慌ててエンジンをかけようと操作するも
それが叶うことはなかった。
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時