黒幕のあしらい ページ9
『……』
？「……」
『……』
？「……」
……はて、何がどうしてこうなったのだったか。
僕は今、ハイネックさんに何故か無言で睨まれている。
買うお酒も決まった事だし、さっさと帰ろうと思ったら突然肩を掴まれて引き止められたのだ。
………僕何かしたっけ？
この人は依頼人ではないみたいだし、僕を引き止める理由は無い筈なんだけどなぁ。
『……どうかしましたか？
さっきから怖い顔してますけど。』
？「……あぁ、すみません。
少々考え事をしていまして……。
お詫びと言っては何ですが、もし良ければご飯でもどうですか？」
『は？』
？「実は先日、肉じゃがを作りすぎてしまって困っていたんです。」
……これは、多分僕を探ろうとしてるな。
目付きがさっきより鋭いし、肉じゃがってのは僕を連れ出す為の口実。
本来の目的は別にあるパターンだね。
『折角誘ってもらったところ申し訳ないですが、遠慮させてもらいます。』
？「おや、この後何か予定でも？」
『えぇ、まあ。』
？「なら、また後日お詫びをさせて下さい。
このままだと私の気が収まりませんから。」
……この男、何としてでも僕を逃がさないつもりみたいだね。
あーもう、面倒だな。
『本当に良いですから。
じゃ、僕はこれで。』
？「あ……」
何か言われる前にその場を立ち去る。
会計を済ませ、徒歩で宿泊しているホテルへと向かった。
『ふー、とりあえずこれで良いかな。』
買ってきたお酒を置き、パパッと服を着替える。
その際、服の袖から黒い何かが落ちた。
…………盗聴器、か。
『……へぇ〜？
誰が付けたか知らないけど、盗み聞きとは感心しないなぁ。』
笑いながら盗聴器を破壊し、僕は薬品などを広げてあるスペースに向かった。
さーて、今日は……。
prrrrrr……
『ん？』
スマホが震動したので手に取って見ると、そこには新たな依頼が入ったという連絡があった。
『んー……今は薬の調合したいんだけど…』
とは言え、ヤバイ奴から依頼が来ていたら面倒なので確認する為にサイトを開く。
『依頼人は……おっと、匿名だ。
依頼は毒薬の注文だね。
ははは、こんな薬を要求してくるなんて、よっぽどその人を殺したいのかな？』
軽く笑いながら、僕は薬のレシピを考え始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅キ霧雨 - 紅姫さん» この作品まで見ていただけているとは…！ありがとうございます！！ (2018年12月27日 10時) (
レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
紅姫 - 続きが気になります！次も楽しみに待ってます。 (2018年12月26日 18時) (レス) id: 48b65d6629 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
