黒幕の微笑み ページ5
行く宛も無くフラフラと歩いていた末に辿り着いたのは、ポアロというカフェだった。
『おー、上には探偵事務所もあるんだ。』
毛利探偵事務所と書かれた窓を見上げる。
とは言え、今はそこに用事は無いので普通にポアロに入っていく。
？「いらっしゃいませ。」
お昼という事もあって少し混んでいるので、僕は空いていた席に腰を下ろす。
近くにいた綺麗なお姉さん店員を呼び止めて、注文をした。
『このお店のオススメください。』
？「かしこまりました！
少々お待ちくださいね！」
店員さんを見送り、その間に僕はスマホを取り出して【フィクサー】のサイトを開く。
依頼箱には大量の依頼があって、どれもこれも復讐を果たすための毒薬を求めるものばかりだ。
しかもこれ、求められる毒薬の効能は毎回違うんだなぁこれが。
まぁ当然と言えば当然だけどね。
？「お待たせしました。
当店のオススメセットです。」
そうこうしている内に目の前にハムサンドとコーヒーが置かれる。
僕は仮面を少しだけずらしてハムサンドを食べた。
『……ん、美味しい。』
パンもフワフワだし、レタスもシャキシャキしてて凄い美味しい。
お腹減ったら此処にハムサンド食べに来るのもアリかもな〜。
コーヒーも飲みつつハムサンドを堪能していると、不意に子供の声が聞こえてきた。
？「ねぇお姉さん、何でそのお面付けたまま食べてるの〜？」
『うん？』
僕はハムサンドを食べ終えて、コーヒーを飲みながら声のした方を見た。
そこでは眼鏡をかけた小さな子供が、僕を見上げてニコニコと笑っている。
『君、この仮面が気になるの？』
？「だって、室内なのにそれ付けながらご飯まで食べてるんだもん。
絶対食べにくいのに、お姉さんはその仮面を外そうとしないから、何か理由があるのかなって！」
『あはは、やっぱそうなるよねぇ。』
逆に不審がらない方がおかしい。
大人の人はまぁ声掛けにくいから何も言わないだろうけど、子供は純粋だからね。
これはよく言われてたなぁ。
『でも特に理由は無いよ。
強いて言うなら、この仮面は僕のお気に入りだから肌身離さず付けてるって事になるかな〜。』
？「へ〜、そうなんだ〜！
じゃあ、その仮面外してみてよ！
ボクお姉さんの顔が見たいな〜！」
『悪いけど、それは出来ないかなぁ。
僕、外でこれ外すの嫌いなんだ。』
？「えー、どうして？
もしかして、何か外せない理由でもあるの？
例えば……外で顔を見られたらまずい…とか？」
『………』
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紅キ霧雨 - 紅姫さん» この作品まで見ていただけているとは…！ありがとうございます！！ (2018年12月27日 10時) (
レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
紅姫 - 続きが気になります！次も楽しみに待ってます。 (2018年12月26日 18時) (レス) id: 48b65d6629 (このIDを非表示/違反報告)
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