【新旧双黒】誘惑だらけな同棲生活をどうぞ【短編集】 (ページ24)

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芥川.人虎の服※抹茶様リクエストby夜桜夢ページ24

今日は私、所謂ドッキリをしかけてみようと思う。
太宰さんを頼って、人虎の服を借りてきて、
そして今着ている。

芥川はまだ帰ってきていない。

「そろそろかな………」

小さく呟いた時、タイミングよく扉が開いた。

「芥川！おかえり」

「………ッ！？貴様……！」

満面の笑みを浮かべる私。
目を見開き徐々に険しい表情をする芥川。

＿＿＿というのが数十分前の事。

今の私は普段の服に着替え芥川の前に正座している。

「だから芥川……ごめんって………」

「許さぬ」

ふいっと腕を組んだままそっぽを向かれてしまう。
ちなみに着替え終わった後、人虎の服は羅生門に八つ裂きにされていた。

ごめんね人虎。

「僕が人虎を好かぬと知っていてそのような行動をしたのだろう、許さぬ」

「知ってたけど………」

ぼそっと芥川が呟く。

「何故貴様が人虎の服装など………」

「……………！」

若しかして。
ピンときた私は芥川をくるっとこちらに向かせると、ニヤリと笑った。

「嫉妬、してる……？」

「ッ………！！う、五月蠅い……！」

かあっと顔を赤くして咳き込む芥川。

当たり。
芥川はまたそっぽを向いて口本を隠しながら云った。

「妬かぬ訳がないだろう……ッ」

「………ッ！
ふふ、作戦成功」

芥川が目を見開いた。

「だって芥川……全然構ってくれないんだもん」

「か、構うなど………僕は」

「……だから、一寸、不安……だった」

芥川がそういう事をしないのは元からよく判っていたけれど。
時折不安になる事があるのだ。我ながら身勝手な話だとは思うが。

瞬間、視界が真っ黒に染まった。
背中には細い腕が回されている。

芥川に抱き締められた所為で、彼の顔は見えなかった。

「済まぬ……だが、

僕はAを愛している」

「………っ！！」

「故にそのような真似は二度とするな」

上から聞こえる芥川の声。
じんわりと何かが温まり、思わず私も強く抱き締め返した。

「うん………ありがと」

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