【新旧双黒】誘惑だらけな同棲生活をどうぞ【短編集】 (ページ3)

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芥川.甘えby夜桜夢ページ3

「………………」

「………………」

私ことAは、今大変困ってます。

目の前で、いつもの無表情よりも尚無愛想に
むすーっとしている芥川がいるから。

「………………」

「………………ごめんなさい」

「許さぬ」

私が彼に何も云わないまま、朝帰りをしてしまったのだ。

そして帰ってきてこの状態。

ソファーに座りながら、私は生きた心地がしなかった。

「任務が……中々終わらなくて」

「………殲滅は完了したのか？」

「う、うん。もう報告書も提出してきた」

芥川は視線を落としてため息をついた。

相当怒ってる………

「………は、………………か」

「え？」

あまりにも小さな声で聞き取れない。

聞き直そうと顔を覗き込むと、その白い肌は僅かに赤く染まっていた。

「怪我はないかと聞いているのだ……！」

「……………！！」

もしかして………

「心配して、くれてたの………？」

「判りきった事を聞くな。
………そのくらい、当たり前、だろう」

プイッとそっぽを向いてしまう。

思わずフッと笑みが溢れた。

反対に拗ねた顔をする芥川。そんな仕草も可愛いと思ってしまう。

「何を笑っている」

「何でもない。怪我してないよ、ありがと」

「……別に礼を云われる程の事ではない」

芥川はコツン、と私の肩に頭を乗せた。

普段こういう事は全くしないのに。
デレ期………！？

「ど、どうしたの？」

「………僕、昨晩寝ていない」

「えっ！？」

唯でさえ普段から睡眠時間少ないのに………！

起きて待っててくれたんだと思うと、どうしようもない愛おしさがこみ上げてきて。

思わず手を伸ばして抱き寄せた。

「………………」

「おやすみ。このまま寝て善いから」

「……………離したら許さぬぞ」

「離さないって」

よほど眠いのか芥川の目はもううとうとしている。

こんな甘えん坊な姿を見れるのも、特権だな、なんてちょっぴり思った。

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