キミの笑顔が見たいだけ【三途春千夜】

46話 ページ46

蘭side

竜胆にも話してない話なんだけど
Aちゃんならいいか....

こんな俺にも本気で愛した女が1人居た
本当に好きで好きでたまらなかった
その女との出会いは
俺が仕切ってる風俗店だった
見た目は本当普通の女だった
特別可愛い訳でもねぇし不細工でもねぇ

でも、その女の話し方や仕草、相槌が
すげぇ可愛く感じたんだよ
優しく俺の話を聞いてくれて
"そんな事ないよ、蘭くんは悪くないよ"
"蘭くんはいつも頑張ってて凄いよ！"
いつでも俺の味方で居てくれた
愛に飢えていた俺からしたら
この女の存在が大きかった

風俗で働く奴なんて大抵訳ありなんだよ
多くは借金返済の為体を売る
案の定この女も多額の借金を抱えていた

俺も若かったし馬鹿だったから
"借金返済してやるから俺の女になれ"
って言って女の借金を全額返金してやったんだよ
借金がなくなって俺の女になったのを良い事に
今度は俺の金でやりたい放題
ブランド物を買い漁り、ホストにハマり

蘭｢あんま金使うなよ｣

女｢なんで？あるんだからいいじゃない｣

蘭｢俺はお前の事を思って...｣

女｢あーもう！ほっといて！金と顔しか取り柄ないんだから！｣

蘭｢は？｣

女｢この際だから言うけど
私、蘭くんの事好きじゃないから！
金あるし顔いいから付き合ってるだけ
もう、ウザイから別れる！じゃあね！｣

そう言って女は出て行った





ーーーーーーーーーー

蘭｢こんな感じ...」

俺の過去の話を聞いてAちゃんは
ずっとポロポロ涙を流している

｢つら、か、た、ね...」

Aちゃんは目を真っ赤にし涙をいっぱいに溜めて
俺の頭を撫でてくれる

俺がAちゃんにこだわるのは
あの、三途がAちゃんを大切にして
Aちゃんも三途を大切にしてるから
ただ、羨ましかっただけ




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