キミの笑顔が見たいだけ【三途春千夜】

4話 ページ4

改めてお互い自己紹介をした


女は江崎Aで27歳
もっと下だと思ったら同じ歳だった

耳は全く聞こえなねぇ訳ではないみてぇ
大きな音とかなら聞こえるらしい
口の動きである程度はわかるみてぇだから
俺に無理にメモアプリ使わなくて大丈夫だと
言ったからそのまま喋ることにした



早口や長すぎるとわかんないから
そん時はメモアプリを使って欲しいとの事



«三途さんはお仕事何してるんですか？»


その質問俺がお前に聞きてぇわ


三途｢普通に飲食店｣


嘘、本当は誰もが恐れる反社


«飲食店なんですね！三途さんオシャレだから
モデルとかファッションデザイナーかなと思いました！»


まぁ俺の格好は目立つからな


«三途さんが来てるスーツC.B.Fですか？»


三途｢よく、知ってんなメンズのメーカー｣


«C.B.Fお好きなんですか？»


三途｢まぁ着やすいし、デザインも気にってる｣


«そうなんですね！三途さん、スタイル良いから
何着ても似合いそうです！»



メモアプリでの会話は
めんどくせぇと思ったが
案外そんなことも無く割と楽しかった


むしろ新鮮だった



俺に近づく女は金か、体目当て
こいつは単に俺と飯を食って楽しんでるだけ



27年間生きて来て女に奢られるとか
初めてかもしれねぇ





.

5話→←3話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す