キミの笑顔が見たいだけ【三途春千夜】

24話 ページ24

あれからトントンと話は進み
あいつの両親の挨拶も終わり
俺の会社にも報告を終え

あいつは江崎から三途になった

他に変わった事と言えば
あいつが補聴器を付け始めた事か？

普段聞こえねぇ音が聞こえると
煩くて疲れると付けていなかったが

«三途さんの声が聞きたいから»

って最近付け始めた、可愛くね？
最初の方は疲れてゲッソリしてたが
今では慣れて来て平気みたいだ

後ろから名前を呼んだら
振り向いてくれる
手話で何？って聞いてくる仕草も
本当に可愛過ぎて困る

仕事も結婚してからは
セーブしてくれてる
まぁ社長だから自分の都合でやってるみてぇだ

何より帰って来たら
美味し飯を作って出迎えてくれる事が
1番嬉しかったりする

料理は自信がないと言っていたが
そんな事無くむしろめちゃくちゃ美味い

美味いと言うと

照れたように笑い
上手くない発音で"ありがとう"と言う

俺が捨てて来たモンを
Aが全部拾って来てくれた
足りないモンはAがくれる

こいつと出会ってから
クスリも辞めた
てか、欲しくならなかった
Aは俺の全てだ



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