22 ページ22
JK side
ふと鞄の中を見て気が付いた。
「………す、まほ、……」
ポケット。
ズボン。
無い。
スマホが、無い。
頬に冷や汗が滴るのが分かる。
家に忘れてきた？
じゃあ、今持ってるのはAヌナ……？
こういう時に限って携帯にはパスワードをしていない。
誰にでも開けられるようになっている。
誰に連絡される？
警察？ジミンさん？親とか？手当たり次第？
嗚呼、馬鹿なことした。やっべえ。
鼓動が早くなっている。焦りによるものだ。
どうしよう。どうしよう。Aヌナ。逃げるな。逃げるなよ。
今から取りに帰るか？
い、いや。だめだ。
サボるならまだしも学校から逃げたなんてなったらテヒョンさん達から殺される。
じゃあどうしろって。
Aヌナ。僕に無理やり抱かれたし。誘拐されたし。警察呼ばれても仕方ないじゃん。普通に考えてさ。でも嫌じゃん。普通に無理。
やっと出会った、僕の運命の人なんだよ。
んな簡単に逃げられちゃ困るんだよ。
…いや、どうすんのマジで。
何か解決策。
無い。
明らかに終わっているこの状況。
打開策無し。今頃僕の家には警察が居るだろうか。
「ジョングガ〜、暇だから遊びに来た……って、どうしたの？」
「…あ、いや、……なんでも、無いです」
「うっそだぁ。なんかあるって顔してるし。バーカ、俺のこと騙せると思うなよ。」
くっそ、面倒臭い奴に捕まった。
……あ、そうだ。
テヒョンさんの携帯で僕のスマホに電話かければ良いんだ。
「テヒョンさん。スマホ貸して。」
「……は？なんで？俺の先輩のハメ撮り見たくなった？無理だよ？」
「何も見ない。約束するから携帯貸して。電話させて下さい。」
「誰に？ジミナ？母さん？」
「……ジミンさんに電話するんで、」
「……スマホ忘れたの？」
「…そうです。だから早く、」
「ってかジミン教室いるし」
「良いから早く！！！！」
「うっさいなぁ、わかったよもう……」
渋々貸してくれた。
こういう時は役にたつね、テヒョンさん。ありがとう。
ジョングク。そう書いてある連絡先を押して電話をかけた。
1秒でも早く、電話に。繫れ。繫れ。
そう願って、背中にじんわりと汗をかいた時。
.
.
『…誰、ですか…………？』
その声が、電話越しに聞こえてきたのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2050人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまのんち - ジンさんメインのお話書いて欲しいです…。いきなりすいません！いつきさんの作品大好きです、ファイティン！ (2019年7月23日 9時) (
レス) id: 11b0bd599c (このIDを非表示/違反報告)
ユ ウ(プロフ) - 今回も人間味深い話でした。。次回ジミンちゃんの恋が実る話を期待しても良いですか…？ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 0fa0ce548c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(かなりのグクテテユンギペン) - もう最＆高しか言いようがない！です！ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 60bba2aec4 (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！その後とか見たいです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いつき
x他2人 | 作成日時：2019年2月11日 12時
