小さな幽霊達に狙われてます【浦島坂田船】

きゅうわ ページ10

「……起きてますかー？」


静かに部屋の扉を開き中を覗き込む

すると座り込む小さな羽根のついた人影が目に入る

「おはようございます。うらたさん」


志麻くんを棚の上に下ろしながら声をかける

するとゆっくりこちらをふりかえり眠気を宿した緑色の瞳が私を捉える


う「ん……おはよ…ふぁ」


小さな手で瞳を擦りながら挨拶をしてくれる

そんなうらたさんを持ち上げながら

「うらたさん、お風呂、今から入ります？」


もう少し寝ていたいかな？と思いつつも声をかけてみると…


う「え？入れんの？なら入りたいけど」


と声のトーンこそ変わってはいないものの

瞳の輝きが増し眠気など消え去っているようだった

背中の羽根をパタパタと動かしながら喜んでいる


……その羽根って飾りじゃなかったんだ…


「はい、入れますよ？あとはお湯をためるだけですね」


そう声をかけると密かに喜び出す姿を眺めていると

3人のいる棚の上から声が聞こえてくる

そちらに視線を向けてみると


志「ちょ、A！坂田が全然起きひんのやけど！」

セ「ん…っあ！抱きつくなや坂田！暑いわ！」

坂「ん……ぅ…まらたべ…ぅ」


助けを求める志麻くんの声と坂田さんに抱きつかれているセンラさんが目に入る

坂田さんは坂田さんでまだ寝ぼけているのかセンラさんの腕を食べようとしている


う「うわぁ……センラまん頑張れー…」


手の上から哀れみの視線を送るうらたさんは2人を眺めて少し笑っている


あ……なんか可愛いかも

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