甘える*HyunSeoung＊ ページ30
「つっ…ヒョンソン君…」
気が付いたらずっと手を引っ張っていた。
HS「悪い…」
目の前には息切れしてるA…
「ヒョンソン君…速いよ？
手が痛いよ…。」
HS「ごめん…」
だけど…何がうれしいのかAは笑う。そして手を出す…
HS「何？」
「悪いって…ごめんって思ってるんでしょ？
だったら…手をつないで。足が痛いんだもん。」
足元を見ればそういうことかって思う。ヒールが折れてる。珍しくヒールを履いたからっていつもならからかうんだろうけど…今日はそんな風にはからかえない。
俺はしゃがむ…
「え…？」
HS「背中に乗って。
そんな靴じゃ歩けないでしょ？
なんなら抱っこがいい？」
そう聞けば顔を真っ赤にして首を横に振り、消え入りそうな声で…
「抱っこは嫌…」
HS「酔った時はいつも抱っこっていうのにね？」
え…？って顔をする。
HS「背中乗るの？乗らないの？」
「だって重いし、悪いし…」
HS「じゃあ…抱えるけど？」
「やだ…」
HS「だったら何も考えずに俺の背中に乗ればいい。
それが嫌なら俺の靴貸してやるよ。」
そういって靴を脱ごうとした瞬間…
「おんぶ！おんぶがいい…」
そういって素直に背中に乗る。そして…
HS「やっぱり…おんぶがいいんでしょ？」
「違うもん…
ヒョンソン君がこんなに寒いのに裸足で帰ることのほうが嫌だったんだもん！
それよりも重くない？」
俺のこと…思ってくれてるのね。でもね…
HS「俺鍛えてるから、意外と平気だよ？
それにね…
Aが重いって言ったら、世界中の女が重いことになる…」
「昔から…おんぶは求めちゃダメなんだって思ってたの。」
え…？
「私は人に甘えたらだめな人間…そんな気がした。
唯一甘えられたのはね、おじいちゃんかな？
公園で靴を落として…泣きながらおじいちゃんの背中におんぶされたの。」
きっと…しっかりしなさいで育った口だと思う。甘えることを知らない人間に頼られるのは嬉しい。だから…
HS「A…俺には甘えていいんだよ？」
気が付けばそういって歌を歌いだした。
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作者名：いっちー | 作成日時：2013年12月29日 20時
