あいつの事を好きな君【瀬見英太】

15.複雑な状況 ページ15

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月曜日。



「おはよう、瀬見くん」

『おはよ』



Aちゃんはとても機嫌がよさそうだ。
昨日、隼人の試合姿見れたからかな。
あの後、何か話したのかな。
嫉妬が心に渦巻く。



「昨日はありがとう。山形くんといっぱい話せたよ」



胸がずきり、といたんだ。



『よかったね』



そっけない返事になってないだろうか。



「びっくりしちゃった。瀬見くんのサーブスゴイね。なんかプレイする姿もちょっと意外で……かっこよかった」

『うん……』



褒められて嬉しいのに……
少しずつ、自分の機嫌が悪くなるのが分かる。
大人気ないな、俺も。



「おーーーすっ！英太！Aちゃん！」

『おっす』

「おはよう、山形くん」



なぜか朝一で隼人がうちのクラスへ来た。



「Aちゃん昨日はどうもね！
ねぇねぇ、昨日一緒に来てた珠ちゃんて、Aちゃん仲いいの？」



隼人はAちゃんの友達のことを話題に出す。



「うん、1年のときからずっと仲いいよ」

「そうなの？マジ！？俺ずっとあの子のこと可愛いって思ってたんだよね！」



隼人の言葉に。
俺もAちゃんも凍りついた。



『え……お前』

「Aちゃん仲いいんなら、良かったら俺のこと紹介してよ〜！」



これは……
由々しき事態に陥ってしまったようだ。



『バ、バカ、Aちゃんが困るだろ！図々しいぞ』



Aちゃんは今にも泣きそうな表情になっていた。
たまらず、俺はそういうフォローを入れるしかなかった。



「うん……ちょっと、今度話してみるね」



Aちゃんは、悲しそうな声で
そんな言葉を隼人に返した。

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