第五十五話 ページ13
朝になってなんだかんだあり、部屋には俺と真裏と琥珀だけが残った。
ずっと言う機会を窺っていた。今言わなきゃ絶対これからも言えない。
『なあ、二人とも』
琥珀『どうしたの?』
真裏『急になんだよ』
『二人に言っておきたいことがあるんだ。』
琥珀『ん?なーにー?』
『俺、実は…』
言うことを少々躊躇うが、どうせいつかは言うことになるのだ。
俺は流れに押されるまま一気に声に出した。
『俺は親を殺した』
真裏『…へ?』
琥珀『それは…えっと、どう言うこと?』
『そのままの意味だ。俺は幼い時親を殺した。』
真裏『Aの事だ。何かわけがあったんだろ?』
『訳は一応あるが…俺がした事の赦しにはならない』
琥珀『一体何があったの?』
『…じゃあ話すよ。俺の昔話。』
俺の両親は母父ともに天才と呼ばれるような人物だった。だがらその間に生まれた俺も天才だと誰もが思ったんだ。
しかし俺はその期待を裏切った。そんな両親から生まれたってのに俺はただのその辺にいるような平凡な子だった。
期待外れな俺の事が気に入らなかったんだろうな。
母はいつも俺を失敗作呼ばわり、いつも暴力を振るわれていた気がするし父に至っては俺の事を見えないフリ、存在自体を否定されていた記憶があるよ。
俺は幼い頃からそんな親が大嫌いだったんだ。
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悠里(プロフ) - 火鉢さん» ありがとうございます!気合い入れて更新頑張っていきます〜! (2020年5月30日 18時) (レス) id: 6d0f46be96 (このIDを非表示/違反報告)
火鉢 - 続編おめでとうございます!更新楽しみにして待ってます! (2020年5月27日 23時) (レス) id: c1314e5ab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠里 | 作成日時:2020年5月20日 22時