人望は篤く清く (ページ16)

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一枚の紙ページ16

？？side
我々は持ち場に戻った
大本営には戦場から帰還した兵の姿があった
全員は帰還は出来ない
流石、戦場だ
数えられる数で言えば1000人近くいた兵はいま見えるくらいでは200人もいないだろう
顔見知りの兵士はほぼ死んだ
ある兵士の噂では餓島でまた、餓えで死んだものが多いとの事だ
いつ、終わるだろうこの戦争はー
『妻に会いたい』
手にはぐしゃぐしゃになってしまわぬようにしまった妻の写真
俺は、予感がしたもうすぐ終わると
少し休みが出来たため部屋に籠った
部屋に大事に飾った、あの小袋の中を初めて開いたみよう。
一体この袋の中は何が入っているのか
俺自身の好奇心がうずいた

『はッなんだこれは＿＿』

またもや、戦場からの帰還

大本営でそのラジオは嘘だとハッキリ分かった

日本は勝ってなどいない負けているだ
陸海軍の死者は予想を遥かに上回る数であり
そして、それを国民は信じてしまっている

今度は、ある上官からこう言われた

「生きてかえるな」と

馬鹿なのかとは思った
人間の生存本能は高いものなのだ
死ねといわれても死にたくないと思ってしまう

上がどれ程、脳のないものだと直ぐわかる

「小佐殿」
『嗚呼、すまない』
「どうしたんですか？ボーッと死者数を見てましたよね」
彼は、下士官で俺の大切な部下の一人である
『あと、俺の部屋に来てくれないか』
「はい！」
敬礼をし、すぐ彼は自分の部屋に帰った

彼は数時間後に俺の部屋に来た

「さっきの話ですが＿」
『上層部のこきだなと』
「ｱﾜｱﾜちょっ小佐！？しーです」
『大丈夫．．ここは俺の部屋だ．．』

「どうして、俺を＿＿＿」

ふと、こんな言葉がよぎった

本当にコイツを信じて良いのか

本当にコイツは俺の味方だろうか

『すまない、気分が優れないものだ．．」
帰らせた

机の上に置いた小袋の中身を眺めた

父が残したこれの意味を知るために