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【17】
レオナの部屋からは故郷にとてもよく似た夜空が望めた。その濃紺を眺めながらレオナはぼんやりと考える。Aと対峙した時、彼女はいつも柔らかく微笑んだ顔を崩して痛々しくレオナを見ていた。レオナに失望したのか、心配したのか、レオナにはわからなかったけれど。それでもレオナは彼女がそう言う顔をしたことに驚いて、頬を殴られたような心だった。なぜならそう言う顔を浮かべていたと言うことはいい意味でも悪い意味でもレオナは彼女の心に確かに存在していたということだろうとレオナは思ったからだった。
(でも、遅すぎたようだなァ)
レオナは苦笑した。サバンナ特有の表面から熱を奪い取るような夜の風がそよそよとレオナに当たった。レオナは月を見た。何か変だ、とレオナは思った。なんだかその月の光にレオナは妙に心を揺すられた。
(あぁ、あの時の月に似てんだ)
レオナは一人心得た。この包み込んでくれるような青白い光はあの日Aがレオナに送った月ととてもよく似ていた。レオナは柄にもなく期待していた。きっとこの月はまたAからの贈り物に違いないとレオナは思った。それならばこの許されないと思っていたこの想いも吐き出してしまっても良いのではないだろうかと思った。レオナは小さく歌を口ずさんだ。空の小さな星たちに祈る歌を。
レオナの前に彼女が現れた。箒に立って乗るAの顔を見てレオナは思わず息を呑んだ。どうして気づかなかったのだろう、とレオナは思った。Aの視線はどう足掻こうと唯一人のための視線だった。
「レオナ」
自分の名前を宝物のように呼んでくれていることを、レオナは知らなかった。
「なんでAが泣きそうな顔してんだよ」
神様なんかでは無かったのだとレオナは思った。
「レオナ、愛しているわ」
Aはそう言って大きな黒い瞳からポロポロ雫を落としながら笑った。どんな感情も昂ぶれば泪となり落ちるという。それならばこの泪こそ愛の証明ではないか。レオナはAが泣くのを初めて見た。
「……俺も、愛してる。なあ、俺はとっくに一番になれてたんだな」
愛なんて綺麗なものは自分と正反対のものだと思っていた。レオナには一生得られることないものなのだと。その言葉がむず痒くて幸せだった。星は二人を祝福する様に瞬いていた。星空は美しく展開した。月が二人の影を伸ばした。
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華陽(プロフ) - ハクグンさん» はじめまして、コメント本当にありがとうございます。自分の中での解釈違いと日々格闘しながら書いてきた話にコメント頂いて本当に嬉しいです。今後ともぜひご贔屓お願いします。ハクグン様のご期待に添えますよう日々精進いたします！ (2020年9月23日 15時) (
レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - あと作者さんほんと感謝しかないありがとうございます絶対に無理しない程度に更新頑張ってください楽しみにしてます (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - うわもうレオナさん好きすぎるほんと好き愛してる。星空の魔女様、どうか、どうか、レオナさんに気付かせてあげて。貴女の一番は彼でしょう？寂しがってる、勘違いしてる。だから、気付かせて。貴女は彼を愛している。 (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
定期テスト攻略ワーク。 - 六条さん» コメントありがとうございます！そんな感想を頂けて幸いです。先行きの見えない連載ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
六条(プロフ) - コメント失礼いたします！温和で優しくどこかロマンチストさも持ち合わせた星空の魔女様と、そんな彼女に対して心を開いている様子のレオナくん。これから二人がどんな物語を紡いでいくのか、目が離せません！素敵なお話をありがとうございます(´；ヮ；｀) (2020年9月8日 21時) (レス) id: fcb5bad142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華陽 | 作成日時：2020年9月6日 11時
