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【14. When it’s dark look for stars.】
「くっ……強い！こんなに強ぇくせに、なんでアンタは全部諦めちまったんだ……ッ！」
「ウゼェんだよ、どいつもこいつも……。全部砂になっちまえ！
その場にいた全員でレオナを止める。黒い猫が火を吹きレオナの攻撃が止んだ」
「レオナ…ッ！」
「…俺が……王……に……」
Aは倒れそうになったレオナを抱きしめるようにして支え、ゆっくりと地面に寝かせた。レオナの髪にかかった砂をそっと払い、頬を撫でた。それでもレオナは苦しそうに顔を歪めたままだった。
(苦しいまま、大人になんてなりたくないもの)
治癒魔法をかけながらそれでもレオナの心臓は確かに動いたままだということにAは酷く安心した。オーバーブロットしてしまったのにも関わらず生きていられるのは本当に稀なことなのだ。
(私に呪いでもかかっているのかしら)
レオナの鼓動の音を聞きながら、Aは一人考えた。マジカルペンの魔法石が黒に染まる瞬間、あれはAがまだ齢十の頃に見た光景だった。父親の綺麗な乳白色の宝石が、墨でも垂らすように黒く染まったのだ。父の背後には何やら影も見えた。
千五百年ほど前、Aたちの住んでいた里のすぐ隣の国にある噂が立った。ーー魔女がこの国を滅ぼす、と。たちまち国中が混乱に陥った。魔女の力の大きさはその当時から広く知られたものであり、反対に魔女そのものについては全くを持って明かされていなかった。国王は里に使者を送った。何も知らない訪問者と装った暗殺に秀でた若者を。何も知らない母はかれを歓迎し、もてなした。
もてなしは盛大に行われた。人間の間には知られていなかった魔法をふんだんに使用して。それを危険視した王は使者に暗殺を命じた。彼のために料理を作っていた母の息の根を彼は止めた。父は嘆き叫んだ。幸せな家庭だった。温厚な父と、お茶目な母、一人娘のA。平凡な暮らしだったけれど、幸せだった。家族には愛が溢れていたのだ。
母が死んで、父もオーバーブロットし帰らぬ人となった。Aは心にぽっかりと穴が空いたようだった。Aはなににも手につかず一緒に暮らしていた家で独り空を見ていた。星が父の瞳のような色だった。星の光が母の優しさのようだった。気管が狭くなった。両親を愛していたから苦しかった。この記憶に蓋をしたAには誰かを愛することに対する恐れだけが残った。失うことの怖さだけが。
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華陽(プロフ) - ハクグンさん» はじめまして、コメント本当にありがとうございます。自分の中での解釈違いと日々格闘しながら書いてきた話にコメント頂いて本当に嬉しいです。今後ともぜひご贔屓お願いします。ハクグン様のご期待に添えますよう日々精進いたします！ (2020年9月23日 15時) (
レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - あと作者さんほんと感謝しかないありがとうございます絶対に無理しない程度に更新頑張ってください楽しみにしてます (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - うわもうレオナさん好きすぎるほんと好き愛してる。星空の魔女様、どうか、どうか、レオナさんに気付かせてあげて。貴女の一番は彼でしょう？寂しがってる、勘違いしてる。だから、気付かせて。貴女は彼を愛している。 (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
定期テスト攻略ワーク。 - 六条さん» コメントありがとうございます！そんな感想を頂けて幸いです。先行きの見えない連載ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
六条(プロフ) - コメント失礼いたします！温和で優しくどこかロマンチストさも持ち合わせた星空の魔女様と、そんな彼女に対して心を開いている様子のレオナくん。これから二人がどんな物語を紡いでいくのか、目が離せません！素敵なお話をありがとうございます(´；ヮ；｀) (2020年9月8日 21時) (レス) id: fcb5bad142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華陽 | 作成日時：2020年9月6日 11時
