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【6. Best Wishes】
ゆったりとした動作でファレナが玉座を立った。その雄々しい顔が今は強張っていた。「国王様、危険です」そんな家臣の声を気にすることなくファレナは魔女の前に仁王立した。
「ええと、あなたが王様よね？ーー謹んで御結婚のお祝い申し上げます」
魔女はもはや大袈裟に恭しく礼をした。そんな魔女の姿にファレナが動揺したのがレオナにはわかった。なんだか出し抜いたようでいい気分だとレオナは思う。
「ああ、感謝する」
けれどもここで動揺の色を声に滲ませることないのが憎くも流石だと思った。王に笑いかけた彼女はくるりと体の向きを変えて、占い師の方へと向き直った。
「ねえ、聞きたいことがあるのだけれど」
黒。それは命尽きた末の色、人の裏の混じることない色。そんな色に見つめられて、占い師は彼女の瞳の奥に囚われたような気がした。
「はい、なんなりと」
占い師は頷いた。頷きざるを得なかった。
「感謝するわ、ありがとう」
異様な空間で、いつもと変わらぬ顔をしているのは彼女とレオナだけであった。レオナと目があった彼女は賛美に微笑った。
「単刀直入に言うわ。聞きたいのはレオナのことよ」
城の対談室で、二人は向き合っていた。出された茶を一口飲んで彼女はそう切り出した。占い師はなんでしょう、と彼女に聞いた。
「レオナの名前、どうして？」
「ああ。そうですね、レオナ様が誕生された時その母君である方が亡くなられたのはご存知で？」
「ええと、詳しくは知らないのだけれど」
「実は『呪い』なのです。彼女ーーいいえ、本当はレオナ様に呪いはかけられた。王宮には私ともう一人、占い師がいました。そうですね、この国には一定数王家に二人目の男子が生まれることを吉としないと考える人がいるのです。実力主義の獣人の世で、仮に兄の能力を超える弟が生まれれば、国家転覆の可能性がありますから。彼はその筆頭でした。」
「…それで？」
「彼はまだ彼女が身籠ったのが男子が女子からわからないままに呪いをかけたのです。彼の呪いの腕は一級品でした。当時の我が国には彼の呪いの腕を凌ぐような解呪師はいなかったのです」
「ああ、やっぱり」
「はい、貴方様の通りでしょう。彼女はレオナ様に女子の名前をつけました。幸い、と言ってしまうには余りに惨いものですが、呪いは男子に向けられたものでしたから」
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華陽(プロフ) - ハクグンさん» はじめまして、コメント本当にありがとうございます。自分の中での解釈違いと日々格闘しながら書いてきた話にコメント頂いて本当に嬉しいです。今後ともぜひご贔屓お願いします。ハクグン様のご期待に添えますよう日々精進いたします！ (2020年9月23日 15時) (
レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - あと作者さんほんと感謝しかないありがとうございます絶対に無理しない程度に更新頑張ってください楽しみにしてます (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ハクグン(プロフ) - うわもうレオナさん好きすぎるほんと好き愛してる。星空の魔女様、どうか、どうか、レオナさんに気付かせてあげて。貴女の一番は彼でしょう？寂しがってる、勘違いしてる。だから、気付かせて。貴女は彼を愛している。 (2020年9月23日 9時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
定期テスト攻略ワーク。 - 六条さん» コメントありがとうございます！そんな感想を頂けて幸いです。先行きの見えない連載ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: a1497b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
六条(プロフ) - コメント失礼いたします！温和で優しくどこかロマンチストさも持ち合わせた星空の魔女様と、そんな彼女に対して心を開いている様子のレオナくん。これから二人がどんな物語を紡いでいくのか、目が離せません！素敵なお話をありがとうございます(´；ヮ；｀) (2020年9月8日 21時) (レス) id: fcb5bad142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華陽 | 作成日時：2020年9月6日 11時
