病弱な妹を持つ私【青】【黄】

No.35 ページ38

ナオside

…A、まだこない。


今日は体育祭当日なのに！Aが！こないの！



あと数分で入場式始まっちゃうよ！？


ナオ「まさか、バックれたとか…？」




うーん、Aならやりそう。




先生「全員そろったかー？あと5分で入場だから、グラウンドに移動しろよー」



ナオ「あ、先生待って！Aがまだ来てない！」



先生「ん？莓宮？確かに今日は見かけてないな」



今日は休みだろ、と軽く受け流す先生に腹が立って、私は一足先にグラウンドへ向かった。



ナオ「わぁお、人がいっぱい！」


なんか外の空気吸って、心が落ち着いた気がする。



ナオ「Aもいたら、100万倍楽しいのになー」


思わず、本音がこぼれた。







『＿＿え、ナオ、どうしてここにいるの？あとちょっとで入場式はじまるじゃん』


ナオ「A！こないと思ったじゃぁん！今まで何してたの？」


『えっ、いや、えっと…。風邪ひいてまして』



あははー…と笑うAの手をぐいっと引いた。



ナオ「早く早く！もうすぐで体育祭はじまっちゃう！」


『えぇ？私、別に出なくてもい、』



ナオ「よくなぁーい！ほら、早く行くよ！」



グラウンドでは、もうプログラムの説明がされていた。



えぇっと、最初の競技は…、二人三脚か！



私は足の速い男子で、Aは久遠がペアだっけ。




ナオ「よぉーし！我ら赤組、ぜったい勝つぞぉー！！！」



ぎゅっと握った手を、勢いよく天に向かって突き出した。

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