魔女の正体のヒント3＊3 ページ17
＊
「…なんで、」
私が嗚咽のように吐き出したその言葉は軽音部室の床へ消えていく。
私の掠れきった声は魔王の笑いのツボにハマったのかｸｯｸｯｸｯと笑い出した。
ひなたは私の声に反応して言葉を出す。
「ドッキリ…大成功って感じですかね？」
顔を上げてひなたの顔を見るとひなたは怖いくらいの満面の笑みでこちらを見ていた。
アイドルの満面の笑みといったら、ファンにとっては最高のプレゼントなのだろう。
けれどひなたの今の満面の笑みは、恐ろしいくらいの笑みだ。
背筋が凍る。
「なんで…なんで私を騙したの、。」
下を向きながら必死に声を出すと魔王は冷ややかな紅い目を細めた。
「騙した…なんて、そんな言葉はお主を裏切った衣更君に言ってあげたほうが喜ぶんじゃないのかえ？」
…初めて零を怖いと思った。
荒れていた過去の時代にも見せることの無かった冷ややかな眼差し。
見つめられるだけで背筋が凍ってくる気がする。
「私をわざと軽音部に呼び寄せたのはなんでかって聞いてるの。」
ほう、と零は少しだけ考えた後私の問に対する答えを口にした。
「お主に忠告をしてやろうと思ったのじゃ。」
ひなたがﾎﾞｽﾝと軽音部のソファに座るとまたニコリと笑って私を見つめる。
「忠告って、」
「A先輩のせいで危機に追い込まれた生徒がいるって、知ってます？」
私のせいで、危機に追い込まれた生徒、
頭が回らなくなってきて私は一つ、ため息をついた。
私のせいで、
私が、魔女を探したせいで、
わたしのせいで、一体誰が、
「私のせいで危機に追い込まれた生徒って」
零はため息をつきながらソファから立つとぐるりと1周ソファの周りをまわった。
「蓮巳先輩ですよ、」
…敬人？
「ねえ、今敬人って言った？ねえ、」
敬人という名前を口にした張本人であるひなたは少しだけ間をあけると、心底楽しそうに笑った。
なぜ、笑えるの？
そんな私の疑問もひなたの言葉で全てが解決した。
「A先輩が学院の魔女とやらを探してくれているせいで、危機に追い込まれる生徒がいるんです。」
"余計なことをしてくれましたよね"
ひなたがそう言葉を吐き出すと同時に私は軽音部を飛び出した。
もう何も考えられなかった。
私のせいで、私が魔女探しを始めたせいで
敬人が。
"全部全部、私のせいなの？"
そう呟いた言葉は誰かの耳に入ることなく廊下の床へと消えていった。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です！更新頑張ってください！応援しています！あ、Twitterフォロー失礼します！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます！試聴最高でしたよね！！私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜！同感です＊＊お話出来てとても嬉しいです！！＊＊ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜！2winkPさん！！私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです＊＊夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました！お話出来てとても楽しかったです！！ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんずあめ | 作成日時：2017年2月19日 22時
